実習日記 病院10日目


  午前中は麻薬の調剤と精神科領域の説明、注射薬の調剤を行った。精神科領域の説明ではまず、統合失調症について学んだ。大学では統合失調症の治療薬は学ぶがどこの経路をどうするかまでは詳しく学ばなかったのでとてもためになった。作用自体は暗記していたが、特に中脳皮質経路が遮断されると陰性症状・認知障害の出現悪化、中脳辺縁系が遮断されると統合失調症の改善、黒質線条体経路が遮断されると錐体外路症状、漏斗下垂体経路が遮断されると内分泌異常が起こるという理論を学べて理解が深まった。気分障害ではうつ病エピソードの診断を始めて知り、何点以上などで決めていることを学んだ。うつ病の治療3原則は薬物療法、休養・リハビリ、精神療法であり、ある一定まできてまた気分障害になる場合は再発、寛解から時間があまり立たないまままた気分障害になった場合は再燃と呼ぶとも学んだ。睡眠障害ではBZ系はあまりよくないというのは暗記で覚えていたが理由までは知らなかったためBZ系の問題点が特に印象に残っている。BZ系は長期連用をさけ、高容量もしくは多剤併用している患者の比率の増量傾向、高齢者や特に認知機能が低下している高齢者では睡眠薬服用による転倒、せん妄を発症する危険性、常用量での依存、乱用、過量服用があると学んだ。4週目には精神のラウンドもあるため、青本の精神の部分の問題もしっかり解きつつ準備できればと思います。午後は、院内製剤として自己血清点眼の調剤、点滴センターでの監査、注射薬の監査を行った。自己血清点眼の調剤ではそもそもの自己血清点眼の使用目的がわからなかったため調べた。自己血清点眼は遠心分離によって血球成分を除去した後の血清を 5倍程度に薄めて点眼するもので、皮細胞が基底膜に接着するのに必要な蛋白のフィブロネクチンなどの涙液と類似の成分が含まれており、シェーグレン症候群などの角膜上皮障害や重症ドライアイに、電解質成分のみの人工涙液点眼液で角膜上皮化が得られない場合に自己血清点眼液により効果が認められていると学んだ。患者様の血液を扱っているため針刺しなどしないように注意して調剤を行った。点滴センターではDD-MVACのレジメンが出ていて、DDの意味がわからなかったため調べた。DDはdose-denseの略語で標準的な化学療法より間隔を短くすることで、Norton-simonの法則に則り、高い効果が期待できるなどの効果を含んだレジメンであると学んだ。注射薬での監査では名前、IDを確認するのはもちろんのこと、G-CSF製剤であれば前後一日にケモをやってないことの確認、ディーラスタ、ノイトロジン、フィルグラスチムを投与していないかの確認をすることを学び、実際に監査で紙に記入をした。また、抗菌薬の監査ではeGFRを確認、インスリンではHbA1cの確認など、検査値、年齢、体重などを確認して監査を行った。今週と来週は薬品庫なので一つ一つ確認し記憶に定着できるようしっかり監査を行えるように実習していきたいと思います。

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