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【ネタバレ有り】クレヨンしんちゃん「炭の町のシロ」を推す記事

本日YouTubeの配信にて、2月22日にネオス株式会社様から発売されましたクレヨンしんちゃんの新作ゲーム「炭の町のシロ」をクリアしました。

「クレヨンしんちゃんのそこそこのマニア」と標榜しておきながら、前作「オラの夏休み」は諸事情でプレイできなかったという体たらく。
ようやく、しんちゃんと共に夏休みを謳歌することができました。

noteに登録して早速ではありますが、プレイ後の熱が熱いうちに、配信では語りきれなかった色んな感想であったり考察であったりを、つらつらと書き連ねていこうと思います。

俺が書き連ねる感想は、ストーリーに関するものをメインとさせていただきます。ゲーム性等に関しては、ちょろっと触れる程度です。

なお、酒が入った状態でこれを書いているため、やや乱文的な文章になっているかもしれません。その点に関しましては何卒ご了承ください。

【ご注意】
以下、大いにストーリー本編のネタバレを含んだ記事となります!!
これからゲームをプレイされるという方は、エンディングまでプレイなさった後にお読み頂けますと嬉しいです。
うっかりネタバレ回避のために、少々多めに改行を入れておきます。












一番言いたい事を、先に書いておきますね。

しんちゃん映画好きは皆プレイしてくれ。
本当に推せるストーリーだから。

そして、このゲームを買うなら是非、
サントラ+主題歌フルverのダウンロードコードも同梱されたコレクターズエディションを買ってくれ。

以下、俺的に推せるポイントをつらつらと並べていきます。



1:ストーリーラインが完全にしんちゃん映画のフォーマット


クレヨンしんちゃんのアニメ映画のほとんどの作品(「しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦~とべとべ手巻き寿司~」のみ未視聴)を観てきた俺が、エンディングで発した言葉。

「いや、クレしん映画だよこれは。」

この一言に、これから書き連ねる文の全ての要素が含まれていると言っても過言ではないと思います。

映画版クレヨンしんちゃんで「名作」と名高い作品は、概ね以下のような構成でストーリーが進行していきます。

  • 春日部(春我部)での日常からスタート。

  • 野原一家(ないしカスカベ防衛隊)がヘンテコな設定の場所に行く or 連れ去られる。

  • そのヘンテコな場所で、様々な個性的な人物たちと出会い、交流する。

  • そこでの非日常と、しんちゃんたちの日常生活が交互に描かれる。

  • これまたヘンテコな名前・設定・思想を掲げるヴィラン集団(たまに味方集団もいる)、名が体を現す系のラスボス登場。

  • 徐々に、非日常空間において巨悪の壮大な陰謀に巻き込まれていく。

  • いつの間にか世界(や国・街)の命運を握ることになったしんちゃんと、野原一家やカスカベ防衛隊といったイツメン、トンチキワールドの住人たちと力を合わせ、不思議アイテムを駆使しながら巨悪の陰謀を打ち倒す。

  • (その巨悪すら、しんちゃんの言動によって報われる。)

  • ちょっぴり切ないお別れを経て、日常に戻っていく。

これらの要素と流れを、概ね全部を踏襲してきたのが本作です。
これはもう「しんちゃん映画のストーリー」と言っても過言ではないはず。

  • 春日部(春我部)ではないものの、秋田・オオマガラナイ村での野原一家の日常からスタート。

  • しんちゃんがシロに誘われ、不思議な街「炭の町」に行く。

  • 「炭の町」で不思議な少女・スミをはじめとする様々な個性的な人物たちと出会い、交流する。

  • 「炭の町」という非日常空間と「オオマガラナイ村」という日常空間を行き来しながら、しんちゃんとシロは生活していく。

  • 徐々に顔を出す、ムダステール・ダンシャーリの陰謀。そしてしんちゃんワールドらしいトンチキな恰好のヴィラン集団が登場。

  • ダンシャーリが画策する「無駄ゼロパーフェクトタウン計画」に苦しめられる「炭の町」を救うべく、しんちゃんとシロは奔走する。

  • ダンシャーリとのトロッコレースという最終決戦の場面において、シロと「おしりあいの石」の力で、しんちゃんと最も気の合う4人の仲間・カスカベ防衛隊が集結。(熱い!!!)

  • 5人が力を合わせたことにより、ダンシャーリとのトロッコレースに勝利。同時に、ダンシャーリの計画はすべて水泡と化す。

  • 街がほぼ水没という悲惨な状況下においても強かな「炭の町」の人々の姿、かつての愛犬・スミとの再会と別れ、しんちゃんの発した言葉により、ダンシャーリは改心。

  • 日常空間に戻っていくしんちゃんとシロ、カスカベ防衛隊。

  • オオマガラナイ村から、春日部(春我部)といういつもの街へと帰っていくしんちゃん。

ほらね、ほぼ完璧。

オオマガラナイ村での日常描写が薄味だった点、「炭の町」の正体やそこで起こる不可解な現象に関する説明が無い点など、些か勿体なく感じる部分もあるっちゃあります。
それでもしっかり胸を熱くさせてくれるエンディングへの導線のつくりかたは、本当に感服いたしました。

というか、少し物足りない部分が残る点も含めて、しっかりしんちゃん映画なんですよね。
「雲黒斎の野望」も改変後の戦国時代やヘイヘイホー7年の日本の風景は必要最低限しか見せてくれなかったし、「オトナ帝国の逆襲」ですらケン&チャコがなぜあそこまで過激な過去回帰思想を抱いたのかが分からず終いだったし。
妄想や考察をする余地を残していると言い換えることもできます。
もしこれを「しんちゃん映画っぽくする」という思想の下、計算ずくでやってるんだとしたら、ちょっとシナリオライターさんが恐ろし過ぎますが…たぶん映画同様、単純に尺不足だったんだと思います。


2:ラスボスとヒロインの関係性に泣ける


本作における巨悪ポジション・ダンシャーリ。
そして本作のメインヒロインである不思議な少女・スミ。
交わりそうで交わらなかったこの2人の関係性が、本当にヤバかった。

スミは、しれっと「シロから聞いた」と言いながらしんちゃんを「炭の町」に誘い、そして「街を救ってほしい」と使命を託します。

本当に終盤に近付いてくるまで、
「スミは何でシロと会話できるんだ?」
「スミは何で街の危機を察知してるんだ?」
といった疑問が残ったままでした。

しかし、実はダンシャーリの妹だった発明家・ユーリから
「昔、ダンシャーリは拾ってきた黒い犬をこっそり育てていた」
「白い犬以外ご法度だった家だったため、黒い犬は処分された」
「それからダンシャーリは心を閉ざした」
といった事実が明かされます。

ちょっと「おや?」とした気づきはあったものの、確証は得られないまま終盤へ。

最終戦後、街が水没していく様を見る中、ここですべての謎が明かされます。

スミの正体は、かつてのダンシャーリの愛犬・スミであったこと。
スミは、ダンシャーリが愛した街を、ダンシャーリ自身の手で壊してしまうのを阻止するため、シロを通じてしんちゃんを呼び寄せたこと。

そして使命を終えたスミは、ダンシャーリに抱かれながら光となって消えていく…

もう、ガチ泣きですよこんなん。

スミは、ご主人に踏みとどまって欲しかったんだね…
だから「おしりあいの石」の不思議な力を使って、炭の町に姿を顕現させ、同じ犬であるシロを通じてしんちゃん達を呼び寄せたんだ…

なんだか、「夕日のカスカベボーイズ」の椿ちゃんや、「ヘンダーランドの大冒険」のトッペマを彷彿とさせるヒロイン像ですね。
不思議で頼もしいんだけど、どこか儚げで。そして最後は消えてしまう存在…その辺がリスペクトされているような気がします。
(トッペマは、メモリミモリ姫として復活しますが。)

犬と飼い主、そして最後の別れ…この辺の要素に本当に弱い麺虎カンスイ、配信中であるにも関わらず、すすり泣きました。
最後にダンシャーリに抱いてもらえて、本当に良かったねスミちゃん…


3:主題歌の歌詞がエモ過ぎる


本作の主題歌である「磁石でいうとNとS」。
どこか切なさを感じさせるメロディーラインと優しい歌声で紡がれる、素敵な一曲です。

普通に聴いていてもいい曲なのですが、最後までプレイしたかどうかで、歌詞の捉え方が大きく変わってきます。

そう、上で散々吼え散らかした、ダンシャーリとスミの関係性。

(以下、配信等におけるガイドラインを確認の上で、少し歌詞を引用しておりますが、公式さんからお叱りを受けたら消します。)

今はすがたが見えないけど
ボクを見つけてくれてありがと

素直に取るなら、スミからダンシャーリへのお礼ですね、コレ…
書いててまた泣きそうになってきました。

これで、そんな元ご主人を止めるために助けを求めるのが、
同じく元捨て犬で、今は30年以上しんちゃんの相棒を務めるシロなんですよ。
春日部(春我部)に戻った後、しんちゃんがいないことを心配するマサオ君に対して「しんちゃんにはシロがついてるから大丈夫よ」とネネちゃんに言わしめるほどの、唯一無二の相棒ですよ。

スミの一人称は本来「私」なのにもかかわらず、ここの歌詞で「ボク」となっているのは、もしかするとシロからしんちゃんへの言葉という意味合いも含めているからなのかもしれない…
そんな憶測が頭から離れません。

この後、街の風景に関する描写と、スミ&ダンシャーリの関係性を彷彿とさせる言葉とが交互に出てきます。

そして、曲が3番に移り変わる時に出てくるこの歌詞。

キミともう一度話したい

きっとこれが、スミの一番の望みだったんでしょう。
悪いことを企んでいるなら止めてあげたい、ともかく遠く高いところに籠ってしまっているキミともう一度話したい。
だから私は戻ってきたんだよ、と…

つまりこの歌は、スミからダンシャーリへの手紙だったわけですよ。
感謝の気持ち、また会いたいという気持ち、彼が上から見下ろす街を下から見た風景を伝えたいという気持ち…色んな気持ちが籠っています。

本当に、最後の最後で再会できてよかったねスミちゃん。
伝えたい言葉は十分に伝わったのかどうかは分からないけど、ダンシャーリは君と再会できたことで、自分の間違いに気付くことが出来たみたいだよ。
今は安らかに、眠って欲しいな…

ちなみにこれ、ダンシャーリからスミへの手紙としても解釈できたりもします。
とにかく、良歌詞過ぎる。

結論:しんちゃんを愛する者は皆プレイしてくれ


こんなネタバレだらけの記事の最後に吐き散らすのもどうか、という言葉ではありますが、俺から世界中のしんちゃんファンに伝えたいのは、ただ一言。

しんちゃんを愛する者、是非皆プレイしてくれ!!!!
そして俺と語ろうぜ!!!!

正直、ゲーム性に関しては賛否あると思います。
クイズの難易度が異様に高かったり、クエストで要求される素材の入手場所のヒントが皆無だったり、お金の入手手段がかなり限られていたり…

しかし、ストーリーは本当に映画シリーズと比肩するレベルのものだったと、俺は感じました。
「映画クレヨンしんちゃん」という作品群をしっかりと咀嚼した上で出力された作品であると言い切っても、恐らく過言ではありません。

定番ギャグあり(ケツだけ星人、言い間違い、妖怪○○オババ呼びetc…)
ほっこりコミュあり(両町村の人々とすぐ仲良くなるしんちゃん)
ラブロマンスあり(空くんとカズミさん幸せになって…)
泣ける要素あり(上で散々喚いてます)

どこをとっても、しっかり「クレヨンしんちゃん」なので。

もしこの記事を読まれている方に、開発チームの方々がいらっしゃいましたら、一部失礼な内容が含まれていたことをお詫びいたします。
それと同時に、このような素晴らしい作品を生み出してくださったことに対する感謝を述べさせて下さい。本当にありがとうございます。

長文・乱文失礼いたしました。
ここまでお読みいただいた皆様、誠にありがとうございました。


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