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ツイッターがまずい

 イーロンのツイッター買収と社内の変革が世界を騒がせている。一連のニュースを追いかけていない人は感じていないかもしれないが、今のツイッターはこれまでにないくらい混沌とした不安定な状態にある。ここでは、ツイッター社およびそのプラットフォームで何が起きているのか簡単に説明しようと思う。ただ徹底的に調べてるわけではなく、推測を交えて話している部分も多少あるので、軽い気持ちで読んでほしい。

 今年の10月27日、イーロン・マスクはツイッターを440億ドルで買収し、同社の最高経営責任者に就任した。それと同時に取締役を全員解雇する。さらに、1週間後には全社員の50%をクビにした。

 なぜそげなことをするのか。ツイッター社にはお金がないからである。イーロンはツイッターにおける「言論の自由」を度々強調しており、トランプのアカウントを復活する話なども出している。しかしツイッターという治安の悪い場所で自由な発言を許すとヘイトスピーチやデマが蔓延する可能性がある。そういう事態を恐れた企業がツイッターでの広告を一時的に取りやめた。元々ツイッター社は買収前から調子が良くなかったし、現在の低迷にはほかにも要因が色々あるが、企業の新しい方針を広告主が恐れだしたのがその始まりと言っても過言ではなさそうだ。

 そして大量解雇とほぼ同時に行われたのが、Twitter Blueの導入でござんす。Twitter Blueとは月額8ドルでプレミアム会員になれる的なサービスで、登録した人はリプ欄で上に表示されるなどの優遇を受けるだけでなく公式マークが付与されるシステムとなっている。広告主が引き下がる中で他の収入を得ようと有料会員制を導入するのはおかしい話ではないが、もののついでに公式マークの制度を崩壊させてしまったのだ。

 これにより、「公式」と認定されたパロディやなりすましのアカウントが続出し、Twitter Blueの概念が浸透していない中で多くの混乱が生じた。


訳)朝いちばんに飲む自分の熱々で新鮮な尿ほど素晴らしいものはない。なんともメリハリのある一日の始め方であり、脳細胞の成長を助けることが科学的に証明されている。もし私みたいになりたかったら、自分のおしっこを飲みなさい。


中指を立てる任天堂の顔

 

 中でも特筆すべきなのは下のイーライ・リリー・アンド・カンパニーというアメリカの製薬会社をなりすましたアカウントで、「インスリンを無料で配布します」という偽情報の流布により会社の株はガタ落ちした。


 このツイートの背景には寡占状態にある一部の製薬会社が糖尿病患者の治療に不可欠なインスリンを不当に値上げしていたことに対する抗議があった。なので企業自身が悪いことをしていなかったらなりすましに対して大ダメージを受けることはなかっただろうが、こうした嵐のような混乱状態が止まない中で自分は巻き込まれまいと退いていく企業(広告主)はさらに増えていった。

 ちなみにTwitter Blueは一連の騒動により導入のたった二日後に新規加入を一時停止しているが、その二日で得たTwitter Blueによる収入は$488,000であった。イーロンは会社が一日に$4,000,000を失っているとツイートで発言しているので、8ドルのサブスクで収入を得るのに現状のままでは苦労しそうだなも。

 最後に、現時点で一番のビッグニュースである「大量退職」について話そう。11月16日、イーロンは「分岐点」と題したeメールを未解雇のTwitter社員全員に送った。中にはこのようなことが書いてあった。

 ツイッターが今後成功するには、社員は"マジで激しく"働いてもらう必要がある。これから始動する「Twitter2.0」のために働く覚悟のある者は、明日の午後5時までに添付したフォームに「はい」と答えなさい。そうでないものは、給料3か月分の退職金を受け取り今日をもって辞めてもらう。

 まるで『進撃の巨人』のエルヴィン団長のようだ。ただ調査兵団の勧誘と異なるのは、エレンもミカサも残らずに中核を担っていた多くのエンジニアが辞めていってしまったことである。重要な人材を含む数百人の従業員が退社した事件を知った世間は大きなショックを受け、日本でも「Twitter終了」がトレンド入りした。

 

 Twitterの一連の動きについては色々な意見があるが、ツイッターが窮地に追い込まれているのは否定しがたい事実である。もちろん、現在生じている混乱に対して上手い解決策を見つけ、経覚悟のある社員同士の協力で経営難を切り抜けることができれば、落ち着きを取り戻してそのまま軌道に乗る未来は見えてくるだろう。ただ、そのまま真っ逆さまに墜落する可能性も十分あるとワイは思う。台風の目・イーロンはずっと冷静でいるようで、ツイートを見る限り会社の死を恐れてはいなさそうだが、世界一の長者に輝いた経営者としての腕前をそろそろ発揮するのだろうか。




以下、参考文献(リンクのみ)


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