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私が誰かって⁈ある女装家0

トリガー
スリットワンピを着用中のぷりん
myfans公開中

家族

私には家族がいる。

普段はサラリーマンだから、会社に行ったり、リモートワークしたり、2024年の今夏になって忙しくシゴトをして、暑さに負けず日々やることをこなしているつもり。

女装してることは、お墓まで持っていく秘密の趣味。だけど、例えば次の瞬間に私が交通事故で星になったとしたら、奥さんは黙ってクローゼットにある大量の女装グッズや着衣を呆れて真っ先に捨てるのだと思う。

奥さんは気づいてる。
でも、ある種の諦めか、許しか、天然か?

奥さんは、その趣味の片鱗に触れることなく、この数年は静かに見守ってくれている。なんだか不思議なセックスレス夫婦。
書斎の隅にあるクローゼット満杯に蓄えた可愛らしいレディース服や、オトナの玩具類は、経済の番人である奥さんが、毎月のクレジット決済額を見ればわかるコト。そして配達されたソレらが、自宅のどこに収まるものか容易にわかってしまうものだ。

だから、この件は、奥さんから子供達には真実として告げることは無いと思うけど、果たしてどんな気持ちでいるか。ごめん。それは生きてるうちに奥さんに理解を求められなかった孤独の趣味として、大きな悲しみなようなものを残してしまうのかもしれない。

余りのリソース

昔から探究心が強い私に、セックスレスになってから色々と趣味の変化が現れる。つまり、自分の時間を少しでも充実させるためにはどうしたら良いかと考えはじめた。

本来は健全な趣味に没頭したいし、友人との交流も良いのだろう。奥さんと旅もしたいところだけど、こんな趣味を持つ私とはそんな気分にはならないかも。子供達はまだ少し手がかかるから、奥さんリソースは費やされる。

私は、ただシゴトをして1人晩酌をし、時々家族と刹那の会話をし、アマプラの連続モノを見つけては1日中一気見しており、家族貢献なんてほどなく無くして、ただの余ったリソース。
悲しいことだけど、子育て期終盤は、父親としてやれることが極端に減り、威厳もなく、ろくにアドバイスすら出来ないし求められもしない。

それでいて、オトコとしては生理現象で勝手にたまってしまうモノや、刺激的な写真や動画が溢れてる現代ではネット広告もそれらしきものばかり。スマホでは繰り返しインプレッションされてしばらく時間を費やしてしまう。

夜中にこっそり、怪しげな行動ばかりが目立つようになるし、向かうべき方向が孤独な時間の過ごし方だけになっていく。

ドアノブのTバック

一体全体、誰がこの私にこんな仕打ちをしてるのだろうか。そんな出来事を話してみる。前回もそうだけど、コレは作り話ではなく実体験。

ある時、サラリーマンとして、外出打ち合わせに向かった時のこと。目的のマンションの一室に事務所を構えるフリーランスのパートナーに会う約束のため、ちょっと古めでオシャレな佇まいのファッション系マンションに訪れた。部屋番号をPUSHして来訪の挨拶を済ませ、エレベを上階を向かい、ついたフロアの目的の一室は一番奥の角部屋。普通にまっすぐと中廊下を歩くだけの何の変哲もない時間で、幾つかの部屋のドアを左手にやり過ごしつつ、目的の部屋番号に近づいて来た頃に、ふと何かが目に止まる。

それは、あの子供の頃のベージュのブラ(前回のやつ!)をチラッと見かけた瞬間のようでもあり、さらに言えば、ベージュよりもっとドキドキする艶を放つショッキングピンクで明らかに異彩を放つ主張した輝き。

サテンのピンクのTバックがドアノブにぶら下がっていた。

その部屋の住人のモノか?廊下に落ちてたモノを、通りすがりの親切なヒトがドアノブに引っ掛けて、落とし主が現れることを願ったか?いずれの意図か計り知れないこの状況にあって、私はそれを二歩だけ戻って、ろくに確かめもせず拾得物⁈としてポケットにしまった。

少し言い訳をすると、このようなモノを昼間っからドアに掛けておく方が、住民達への迷惑行為かもしれないし何より風紀を乱すではないか!自治会長でも無い単なる客人である自分は、この瞬間、あくまで善意の元に、まずはソレを取り除くことでファッショナブルなマンションの健全化に寄与したなることは間違いなしとしていた。(ギリギリアウトな点はどうか許して・・)

そして、私の中では何十年も眠っていた記憶の引き出しが開き。あの時の記憶とこの非常事態が、まるで大陸同士がぶつかり合うように地続きでつながってしまった。

トリガー

そんなことある?

平静を装い、件の打合せを終えて直帰したため、最寄りの駅に着くのは暗くなってる頃。その日は意図して一つ手前の駅で降り夜道をゆっくり歩いた。

左手のポケット中には無造作にしまったあのTバックが気になっているし、ポケットから出すことなく指先で触れながら歩く。触診開始。
サテン生地はとても触り心地が良かった。部分的にレースのような手触りもあり、色はピンクだったはずだから、本来のオーナーがどのようなヒトだったのか、わずかに想像して心拍数が高いままの帰路をいく。

「ただいま〜」と家族のもとにたどり着き、荷物を置いてからそのまま手洗いに入った私は、初対面から数時間ぶりにそれをゆっくり取り出すことになった。今まで見たことが無いエッチな色。そしてやはり黒のレースがあしらわれていたコトに気づいた。

まるで神器かのように、太陽にかざすかのように眺めてみると、それは洗濯された匂いがわずかに香ったのと同時に、わずかに変色している局所もあった。少なくともそれは新品ではないことに、ある種の満足感を抱いた。

そして、私はいまだにソレを超えるTバックに出会ってはいない。

コレは自分で買った♡紐パンTバック

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