平沢進のアルバム『白虎野』についての共起分析などなど

※₁私は分析(笑)を頑張りましたが、学術的価値は全くないです、学部卒の素人のふわふわ努力をあったかい目で見てもらえたらと思います。さらに、私は知る人ぞ知る機械オンチです、分析ソフト乃至はパソコンを使いこなせていない可能性が高いです。
※₂私は平沢進氏のファンではありますが、これもふんわりとしか存じ上げておりません。詳しい歌詞の解釈や知識などあまりないです、歌詞の比喩や考察も何も考えず書いています。ご了承いただきたいものです。
※₃そういえば法律とか司法試験は全く関係ないです、言語のお話です。趣味です。内輪ネタ多め。


始めに

そもそも何なのか?

 こんにちは、うめと申します。普段は法律の勉強をしています。ただ、私は学部時代は言語学を専攻していました。今も勉強がしんどくなったときに趣味として勉強しています。この記事はその一環です。
 最近大して勉強もしていないくせに、疲れてきたのでちょうどハマっていた平沢進の音楽をテキストマイニングという方法でちょっと分析してみたくなったのです。テキストマイニングとは、ざっくり言うと、テキストを分析してその中から欲しい情報を掘り当てる(マイニング)することらしいです。難しいですね。逐次説明っぽいものを書いていきたいのでここでは流します。

平沢進とは?

 なんかすごいミュージシャンです。説明の仕方があまりわからないのでこんな言い方になってしまいます。一部の界隈で絶大な支持を得ています。
 彼の音楽で非常に特徴的なことの一つとして、「歌詞が独特かつ非常に難解」ということが挙げられるでしょう。
 例えば、アルバム『点呼する惑星』の収録曲「聖馬蹄形惑星の大詐欺師」という曲があります。  、、タイトルからして意味がわかりませんね。
歌い出しは「地下鉄はカタコンベ」です。わかりません。
 別のアルバムで「гипноза」という曲もあります。読めません。 しかし私は奇跡的に少しロシア語ができます。гипнозがロシア語で「催眠」という意味です。その単数生格形でしょうか、何にせよわかりません。
 「Dμ34=不死」という曲もありました。いよいよです。
歌詞では「Qz42=無限」「ЯИ9Ж=終了」ともあります。歌詞ですよこれ。読ませる気が無さそうなのでこのへんにしておきましょう。
 でもなんかハマっちゃうんですよねー 普通に歌超うまいし

平沢進のライブ

 平沢進のライブは物語形式になっているものもあります。そこでその物語にそって歌うわけです。物語になったら歌の意味がわかるのかと思いきや、その物語の意味もわかりません。造語と謎のキャラクターが多すぎるんですよ、、「アユカヨとアンバニ」「Σ=12」「バイナリー・デカルト」などなど。
 当然ストーリーもわかりません。「西(方角の)」がなくなったり、ナノ重複が起きたり、ヒラサワがたくさんでてきたりします。わかんないですね。我無力也。、、、、このへんでやめておきましょうか。

今回すること

 そろそろこの文を読んでいる人が存在しているのかわかりませんが、私は勝手に続けます。
 上記の通り訳が分からない(ごめんなさい)歌とライブをテキストマイニングの「共起分析」(次に説明します)ということをすることで少しでも理解してやろうという魂胆です。この私、分析マニア也ということで。
 分析対象とするのはアルバム「白虎野」に収録されている全10曲です。同じ名前のライブもあります。
(たぶん論文ならこの辺りで先行研究の紹介と仮説と立てるのですが、なんせふわふわした文なので許してください!一応論文はいくつか読んで勉強したんだという言い訳だけしておきますね)

方法

「共起分析」とは?

 本題に入っていきましょう。ここからは分析方法について述べていきます。「共起分析」とは、ざっくり言うと、同じ文章の中で単語が共に出現する(共起)について分析することです。これを可視化したものを「共起ネットワーク」と言ったりします。例えば、夏目漱石の「こころ」の共起分析を実際に行ってみましょう。(よく考えたらだれが興味あるんだこれ)
KH Corderというソフトを使用します。

(私はこの記事では分析方法乃至は分析ソフトの使い方の説明はしません。興味ある方はお調べください。私がここで書くよりもはるかにわかりやすい説明がございます)「こころ」のネタバレを回避したい方は次の章まで読み飛ばしてください。大丈夫だと思いますが念のため。


例:夏目漱石「こころ」

「こころ」抽出語リスト

こんな感じで、一体何回同じ単語がでてきたのか数えたり、

「こころ」共起ネットワーク

 このように、「共起ネットワーク」といって、テキスト内での語のつながりを可視化することもできます。この例だと、〇の大きさが、テキスト内に出てきた頻度が高いほど大きくなり、各〇どうしのつながり(同じ文に出てきた回数(共起))の関係を表します。例えば、緑の〇に着目すると、「自分」と「思う」や「見る」が近くに配置されているのは、「自分」という単語と「見る」や「思う」という単語が同じ文中に登場する回数が多かったことを示しています。(たぶん!)
 なので、この分析法だと、語どうしの意味のつながりは問題になりません。「Colorless green ideas sleep furiously.」もそのまま処理されます。 
 このような「共起ネットワーク」を平沢進のアルバム『白虎野』の各曲の歌詞に対してつくっていこうと思います。頑張ります。

本調査

『白虎野』の共起ネットワーク

 さて、いきなり『白虎野』の共起ネットワークがどうなったのか示したいと思います。ほんとはこの図を出すまでにひたすら歌詞データを入力するのですが面白くないのでそこは飛ばします。
 改めて、この「共起ネットワーク」とは「同じ文の中にでてきた語のつながりを可視化するもの」です。難解な歌詞どうしに何かつながりは見いだせるのでしょうか???


『白虎野』共起ネットワーク

???????

、、、、はい。うっすら結果はわかっておりました。

 上記の「こころ」の時と違って、〇どうしがバラバラですね。これは「ほとんど語どうしのつながりがない」つまり、「□という語があったら△という語がよく来る」という関係があまり見いだせないということです。
 このグラフはアルバム『白虎野』の歌10曲を全部一括に分析したものです。つまり!「歌ごとに使用される語彙が違いすぎて歌と歌の語彙的なつながりがほぼ見えない」のです、、、、ヒラサワ、恐ろしや、、
歌詞を打ち込んでいる最中になんとなく感じていましたが
 確かに「Σ星」とか「CODEはCOSTARICA」とかが数曲にわたって出現するわけないですよねー。

(一応)対応分析

 

『白虎野』対応分析

 まあさっきとあまり変わらないんですけど、一応対応分析表なるものも出してみました。これは、ざっくり言うと「ある語彙がどれだけ特徴的か」を表します。真ん中の語彙ほど特徴がない(→色々な歌に横断的に出現している)ということです。赤字が曲名です。
(あと今気づいたんですが、このデータは古いモノでした、、「白虎」と「パレード」が抜けています。。。。すみません。結果は変わらないのでお許しください)
 
 この表でも塊が点在していますね。というか、「CODE=COSTARICA]「Σ星のシダ」「時間の西方」「生まれなかった都市」が外れている気がしますが。
 確かにこれらの曲以外は比較的語彙がわかりやすい(?)曲のような気がします。共通する語彙「キミ」「水」などがあったのでしょう。

考察(実質上の感想)

(もういい加減ここまで読んでいる人は殆どいないと思うのでどんどん適当になります)
 以上です。淡白かつ情報量が少ないですが。(ちなみに私はこのようにちょっと考えたらすぐわかるようなことを小難しいデータのようなものを用いて示すという変な作業が得意です。卒論もそうでした)
 結論として、「アルバム『白虎野』の各歌は語彙が特殊かつその特殊な語彙は色々な歌にでてくるわけではない」ということが示され、そこから、「平沢進の歌は共起分析に向いていないのではないか」という可能性を示しました。面白くなくてごめんなさい。私の専門は音声学なので許してください、、、、
 他にもいろいろやりたいことがあるのでまたなんか書こうと思います。
駄文にお付き合いいただきありがとうございました!本当に!

P,S,


 「幽霊船」「幽霊列車」「幽霊飛行機」という私が勝手に「幽霊シリーズ」と呼んでいる3曲にも同じ分析を行っていました。わっはー。
 結果です。

「幽霊シリーズ」共起ネットワーク

 3曲のみの分析ですが、さっきよりもつながりが感じられますね。これらの3曲はアルバムは別々なのですが。どうしてでしょうね?


「幽霊シリーズ」対応分析表

 これの方が「曲ごとに使用語彙が違う」ということを顕著に表しているのではないでしょうか。ただ!「行く」(すべて一応乗り物の歌だから?)「キミ」(さっきも頻出)など共通する語彙もありますね!
 特に平沢進の音楽の中で「キミ」(「君」ではない)は非常に多く出てきます。もし私に元気と時間と余裕があれば「キミ」に着目した分析も行いたいですね。
 熱が上がってきたのでここらで筆をおきます。風邪ひいているなか頭が回らずかつ寝付けず書いていましたので優しく読んでください。

 もしここまで読んでいただいた方いらっしゃれば本当にありがとうございました!!!! 知り合いなら感想聞かせてください!私の機嫌が良ければなんかあげますので!


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