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新米没イチの友人を見ながら考えた没イチ歴1年の自分のお話

ママ友の夫さんが亡くなった。
お風呂から出て来ないと思って見に行ったら・・・だったらしい。

若くして(別に50代だし若くもないが、まぁ)夫を亡くすってとこまで仲良くしてくれなくても良いのに。

秋に転勤予定があったので、そのママ友とは色々なやり取りをしていて、夫さんが亡くなる前日もLINEのやり取りをしていた。
不安もあるけれど、明るく、新生活への準備。楽しそうな。

それが、翌朝、訃報の第一報。

LINEを読んで、「え? は? なにこれ? え?」と止まってしまった。

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もともと心配性で、若干過保護気味wの彼女。
「みーにゃん、これってどうしたら良い?」
と、相談されることが多かった。

そんな私は人が亡くなることについて、割と色んな経験をしている。
・自宅で亡くなって警察が来たり
・解剖出したり
・エンバーミングしてみたり
・フツーの家族葬してみたり
・ちょっと変わった葬儀をしてみたり
・喪主としてご挨拶したり

よって、今回も彼女にとって大きく頼りになる経験者だったと思う
(自画自賛w)

LINEで色々と相談に乗ったり、
我が家の事例を共有したり、
耐えられない苦しさを受け止めたり、
葬儀を乗り越えるのを励ましたり。

彼女の夫の葬儀まで、そんな日々を送った。

職場関連の事情で軽く300人を超える盛大な(?)葬儀になると聞き、また、その過程でも色々なゴタゴタで潰れそうになる彼女に、大丈夫だろうかと心配だった。

夫さんは何度かお会いしたことはあるが、別に「こんにちは」程度だ。
だから、お通夜も告別式も両方行くのは行き過ぎかな、と思いつつ、彼女が心配で。夫さん関係者ばかりの参列者の中で、彼女側の知り合いがいると気が楽になるかも、等を想像し、両日参列してみた。

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心配をよそに、彼女はすごかった。
髪の毛もアップにまとめ、喪服の着物姿の彼女は凛として、気丈に職場の偉い方等も含め、全方面、色々な人に挨拶をし、頑張っていた。

告別式の後の喪主挨拶では「え、これがあなた??」という位、10分近く、原稿も読まず、泣き崩れることもなく、

仕事人としての夫
家庭を顧みず働き続けていた夫が愛情を注いだ子どもたちのこと
子どもたちがその夫をどう思っていたかということ
その成人した子どもたちがいかに頼りがいがあったかということ
そして、突然去った夫に対する妻としての怒りを含めたやるせない想い
定年したら、逆に尽くしてくれるって言ってたよね?って。

これらを見事なスピーチで話してくれた。

彼女から見える位置に立ちながら、そんな彼女を見て、泣けた。

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私の涙は、最初は彼女に対して泣けていたけれど
そのうち、違う涙に変わった。
去年までの自分を思い出してしまった。

比べるものではなく、人それぞれの人生と思いがあり、
表面的に見えるところだけで分かった気がしてはいけない。

準備期間をたっぷり取ってお見送りした私と
15分前に普通に会話していた人が突如消え、しかも第一発見者になってしまった彼女とでは心の準備度合いが違うことも分かっている。

私は、
彼の余命を知り、
会いたい人に会わせ、
亡くなった後を想定して彼の終活を行い、
最期はゆっくり時間をかけて亡くなる瞬間を見届け、
自分で好きなように葬儀の準備をし、
悔いのないお見送りをさせてもらった。

これ以上ない、幸せなお別れの仕方をしたと思っているし、
この時間をくれた彼は偉かったなと思っている。

それでも、ママ友の彼女の話を聞いて、

彼女は夫さんと会話が成立していたこと
対話が出来ていたこと
実現はしなかったが、夫さんは老後は彼女に尽くそうと思っていたこと
それを彼女は伝えてもらっていたこと
子ども達が残された母を気遣っていたこと
率先して分担して家族としての苦難を乗り越えようとしていたこと
夫さんが子ども達にとって尊敬する父であったこと

それを目の当たりにすると
辛かった日々の記憶の方が多い自分を振り返り

どうしようもなく苦しく、
悲しくなった。

彼のせいではなく、脳腫瘍や高次脳機能障害のせいとは分かっている。
それでも、圧倒的に辛い思い出ばかりを残されたこと。
泣きながら自分を責めて、どうしようもなく苦しい日々を送ったこと。
頼ったり、相談しながら、たわいもない会話をする日々も無かったこと。
結婚してすぐに倒れてしまったので、夫婦の楽しい歴史がないこと。
家族へ愛情を示してくれた様子がなかったこと(ゼロじゃないけど)。
助けを求めた手を何度も悪気もなく無意識に払われたこと。
私がいつも司令塔に成らざるをえなかったこと。
自覚なく色々しでかす彼のために、フォローに心を砕いていたこと。
その結果、やたらと強い「大丈夫な人」となってしまったこと。

あまりにも何も残されなかった感覚に、涙が止まらなくなった。

人生無駄なことはないと思っている。
彼のお蔭で気づけたことや、得られたスキルも沢山ある。
得られたことに目を向けず、辛かった記憶ばかり呼び起こしてしまっている自分が悪いことも分かっている。
「何も残されなかった」は言い過ぎだし、愛情も示してくれていただろう。
こんな、悲劇のヒロインみたいに、仕方がないことを言う自分も嫌い。
「羨ましい」は私が最も嫌いな言葉だ。

でもさ。
どう頑張っても良い思い出より、
辛かった瞬間の方が鮮明に出てくるのだよ。
頑張ってプラスの方を見ようとすることも、疲れることもあるのだよ。
強いね、私だったらムリ、みーにゃんだからできたこと、って言われるのも疲れるのよ。

たまには、自分の感情に正直にならせてくれぃ。

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夫を亡くした妻だからこそ分かりあえることも沢山ある。
だから、そんな弱い彼女を支える側になってしまう。
それで彼女が楽になって前を向けるなら、それで良い。

彼女が泣くついでに、一緒に泣こうっと。
私っていい人だなぁ~www







人の人生、存在、命って何だろう。
あなたのおかげで、色々考えさせられるよ。
すべてに感謝出来るほど、私は人間できちゃいないけど。
貴重な経験をさせてもらったことは感謝してるよ。

ったく、いいねぇー、
あなたはお気楽でwww

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