50代での初チャレンジ・山小屋泊。仙丈ケ岳に行ってきました②
トレッキングを始めて1年2か月。仙丈ヶ岳登山にチャレンジした顛末と、学んだことの続きをお話しします。
前半はこちらでご覧ください。
小仙丈から頂上へ
睡眠不足と酸欠が重なり、もう、眠くて眠くてたまりません。段差があったり、足元が悪いところでは、目を開いていますが、平たんな場所では、歩きながらこっくり居眠りしてしまうほど。
その上、次第にガスが濃くなり、景色も見えなくなってしまいました。
そこで取り出したのが、じゃーん。
おにぎりです。
山ではごはんを食べると、テキメンに体が回復して元気が出ます。山ごはんを食べるたびに、食事は本当にエネルギーの源なんだなと実感します。
そうして、最後の急登に近づく手前の開けた場所まで歩いてきました。
すると、そこに雷鳥が!まわりには小さな雛が数羽います。1羽の雛が親鳥から離れてどんどん歩いていってしまいます。親鳥は羽をバタつかせビョーと鳴いて子供を呼びながら歩きだします。慌てて声のする方に駆け出す雛。
わ、雷鳥見られた。とはしゃぐ私。
夫「ご機嫌をとりに雷鳥が来てくれた。よかった、よかった」
そうして、ようやく12:48に山頂に到着!プランBに遅れること18分。
馬の瀬ヒュッテ
下山途中に仙丈小屋でトイレ休憩をとり、担いできた(←夫が)スープを飲んで一休み。さらに1時間の道のりを歩いて、ようやく馬の瀬ヒュッテに到着しました。
到着したのは、14:50。素敵なログハウスです。
通されたお部屋は広々として、お布団も毛布も清潔です。男女相部屋ですが、見知らぬ男性の隣に寝なくていいように、場所を決めてくれていて、安心でした。
聞けば今シーズンのオープンは昨日だったとのこと。梅雨時期で利用者もピーク時の半分以下なので、ゆとりがあります。
夕飯時にはオーナーが一人ひとりに振る舞い酒をお酌してくださるという大サービスまで。(オーナーは、無類の日本酒好きで、冬の間、酒蔵で働いているそうです)親切で気さくなスタッフと、美味しいごはん。
私が抱いていた山小屋のイメージとはだいぶ違いました。
とはいえ、トイレは外の小屋裏にあり、ポットンですし、荷物は荷物置き場に置くなど山小屋ならではの不便さはあります。でも、不便を楽しむのが山なので仕方ありません。
夜9時までは、食堂ではにぎやかに酒盛りが続いていましたが、私たちは、食事以外の時間は、ほぼほぼ眠り続けました。本当にクタクタだったんです。その晩は嵐のような雨になりました。
夜中、夫は頭が痛いと言い出しました。高山病と疲れのようです。「ほらね、こんな無理な計画立てるからだよ」と悪態つきたくなりましたが、我慢しました。でも、翌朝には回復して、おいしく朝食をいただきました。
2日目
雨足は弱まりましたが、まだ、雨が降り続けています。帰りのバスの時間に合わせて、ゆっくりと7時に山小屋を出発しました。
景色は見えませんが、しっとりと濡れた緑が美しい。よく寝てすっかり元気を取り戻したので、雨もさほど気にならず、自然を満喫しながら歩きます。
藪沢を渡るところで、雪渓が崩れ、足場が悪くなっていました。ロープをかけてくれていたので、それを頼りに気を付けて渡りました。
5合目からは、来た道を戻るだけ。そうして、9時、登山口広沢峠に戻ってきました。
帰り道、「みたまの湯」に寄り、汗を流し、夫の大好物の桃をどっさり買い込んで帰路につきました。無事、17時前に自宅に到着。
この登山で学んだこと
以前、HERS誌の取材で、好日山荘 おとな女子登山部 部長の荻野さんにお話を伺ったことがあります。そのときにおっしゃっていたのが、「山では小さな失敗をしてほしい」ということ。安全には十分に気を付けなければいけないけれど、小さな失敗から学ぶことで成長できる、と。
山で、景色が楽しめないほど、体調がよくなかったのは初めてでした。事故につながってもおかしくはない状況。
事前に地図をちゃんと見ておくべきでしたし、プランについては、人任せにせず、自分でもよく考えなければなりません。また、不測の事態に備えて食べ物ももう少し多めに持つべきでした。50代という年齢を考えて、もっと睡眠時間を確保できるよう工夫しなければいけなかったと反省しています。
帰ってきてから、こんな便利なツールをみつけました。今後は、自分でもしっかり計画に参加しようとつくづく思いました。
今回学んだ大切なこと。それは
山行きでは、「どーゆーふーにしてもいい」は 禁句
ちなみに私はこんな雑誌でお仕事をいただいています。よかったら、こちらもぜひごらんください。
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