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もう家族一緒に住むことはできない(③)

②からの続きです。
次男が走り出して見えなくなってしまってすぐ、夫から私の携帯に電話がかかってきました。
今やっと長男を連れて家を出たから、戻ってきても大丈夫だ、という連絡でした。

ギリギリ、次男に修羅場を見せずに済んだ、ということでとりあえずそのことには安堵しましたが、姑と雨の中を歩きながらこんなことはもう続けていられない、という気持ちを抑え切れなくなっていました。

家に入ると、階段から玄関にかけてめちゃくちゃになっていました。

寄附をするために集めていたペットボトルの蓋がおびただしいほど階段中に散乱し、もう20年以上大切に育てていた観葉植物は無残にもむちゃくちゃに折られていました。
鉢の土も階段中にぶちまけられ、白い壁もその土が飛び散ってところどころ茶色く汚れていました。

それを見ただけで、どれだけ激しかったかがわかった。
その夜は連絡もないまま、二人は帰りませんでした。 

翌日の昼頃、夫と長男は帰ってきました。
長男は口数少なく部屋に入りました。

私は夫に話しました。

毎日毎日、長男の激しい感情の波に振り回されて生活することに限界を感じてきていること、
普通の会話もままならず、細心の注意を払っていととしても、防ぎようのない突然の変異に対応しなければならないこと、
こんな家庭環境で次男にも影響がないわけがない、ということ。
そして、高齢の姑も心身弱ってきていること...。

夫も同じ考えでした。
わかってる。
もう別々に暮らすから。
もう二人で決めてきたから、と夫は覚悟したような顔で私に言いました。

詳しくは落ち着いたら話す、とその次の日に
私は夫の覚悟を聞くことになったのです。

この続きはまだ次回にお話ししますね。


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