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宮城日記≪その1≫ 二兎を追う① ~囲碁将棋とポケモンGOと~

今回はしばらくポケモンGOの話

囲碁将棋の絶景漫才ツアー直前のインスタライブで、二人が「なんか宮城でその日ポケモンGOのイベントあるらしいよ」とのんきにしゃべっていたけれど、こちとらポケモンGOガチ勢で、今年のGOフェスタが仙台で開催されることは3月の時点で百も承知だった。

ここ3年のGOフェスタは有料のチケットを買って現地に行った人が楽しめるイベントで、日本全国からプレイヤーが集結する。メイン会場はその都市の大きな公園1か所で、期間は週末3〜4日間、チケットは1人1枚しか買えない。参加できるのはイベント中の1日、しかも午前か午後のみ。(ただし、該当時間以外であっても、メイン会場と同市内であればそれなりに楽しめる)

私の参加歴としては、
2022年 札幌 ←たのしく参加
2023年 大阪 ←チケット完売
昨年はちょっと気を抜いた隙に全日程のチケットが完売してしまったので(ただ公園をうろつくだけのイベントなのになんで上限があるんだよと悔しさと自分の迂闊さを嚙み締めた)、今年こそはと気合を入れて待ち臨んでいた。

そして
2024 宮城
発売されるやいなやチケットを買った。6月1日(土)の午後のチケットだった。

カードの決済日によると、3月7日にはもうチケットを確保している。参加日程は変更も取り下げもできない。
この時点では、絶景漫才の日程は出ていなかったのではないか、と思う。「6月 宮城」くらいは出ていたか? 少なくとも時間は絶対に発表されていなかった。

新幹線もホテルも早々に押さえていたところに、囲碁将棋絶景漫才の日にちが確定する。6月1日、どんかぶりだ。
いやしかし、通常は単独ライブは夜からが多いし……会場は海が絶景らしいから、日没の時間かも……? 少しポケモンを捨てればなんとかなるか……?

祈りながら開催時刻の発表を待った。

そして宣告された「15時開演 16時30分終了」
何もかも終わった、と思った。私のGOフェスタは14時30分~18時30分。漫才会場の僻地っぷりからしてもどんかぶりどころじゃない。すべて潰れるだろこれは。泣く泣くイベント本番を諦めるか?──変更不可なのだ…… なんでもっと早く吉本はスケジュール出してくれないんだよ……

とりあえず、事前に絶景漫才の会場から、会場の最寄り駅(多賀城駅)までの帰りのタクシーをアプリで手配した。「予約確定は迎車時刻の20分前」とあるのが若干不安だったが、問い合わせで七ヶ浜国際村でもアプリ対応とのことだったので、ひとまず安心はできた。

そして迎えた当日。

前日、駆け込みで大宮のTHE SECOND振り返りを見て、寝不足のまま出発。ザ・パンチのお二人の私服が軽やかでおしゃれだったのが、意外で印象に残った。

仙台駅に着いてまずホテルに荷物を預け、GOフェスタの会場である仙台市の北端、「七北田公園」へ地下鉄で向かった。
仙台駅から街はポケモンGOムードに溢れ、というかムードだけでなく人も溢れ、ゲームをやらない人からしたら異様な光景だったと思う。でも年に1回だけ、浮かれさせてください。
午前のイベント開始時刻を地下鉄の中で迎え、車内がふわっと沸いたのが嬉しかった。各地のイントネーションで「楽しみだね」「始まったね」という声が聞こえて、一人参加だけど一人ではない気持ちになった。

七北田公園の最寄り駅、泉中央駅は想像していたよりも大きな駅で、タクシーもたくさん待機していた。七ヶ浜国際村までの足は万全だと確信した。

公園内では、私は午前中はチケットがないので無力だけど下見をしたり、公園の周囲をぶらついたりした。


デカチュウ


説明するとややこしいが、チケットの時間帯以外でも、チケット所有者は仙台市内(ただしメイン会場を除く)で、それなりに普段と違ったポケGOが楽しめる。
文田さんが「レアなポケモンが出ることになってポケGO勢が七ヶ浜国際村に来ちゃったらどうしよう」と言っていたが、国際村は市外なので、イベント対象区域外で、完全に杞憂だったのである。


ゲームをしているうちに、ふと、「七ヶ浜国際村の最寄り駅ではなく、直接この公園に帰ってくればラスト1時間ぐらいプレイできるのでは?」との思いがよぎる。新幹線とかホテルとかは真剣に値段を検討するのに、旅先でのタクシー代となるとザルだ。

仙台市でも泉区ならまだ七ヶ浜町から近い



すぐにアプリの予約を取り消し、再度「七ヶ浜国際村から泉中央駅へ」の予約を入れようとするが「その日程では、予約が混みあっていて配車できないかもしれません」のようなメッセージが出て予約が成立しない。しまった。ポケモンどころか普通の帰路さえ危うい。なぜ新しい予約を入れてから古い予約をキャンセルしなかったのか…… 焦りと後悔で冷や汗をかきながら、今度は直接タクシー会社に電話をかける。数社に断られた後、ようやく受けてもらえる会社があった。「我々は仙台市のタクシー会社だから、仙台市まで帰ってこなければいけないんですよ。絶対に目的地変更はしないでくださいね」と言われたけど、こちらとしても仙台市内まで最短時間で戻りたいので願ったり叶ったりだ。

最初は晴れ間も見えていた仙台市だったが、徐々に雨がぱらつくようになった。ランチも電源がありそうな店で軽くすまそうと思っていたが、雨には心が折れて駅ビルの寿司屋へ入ってしまった。なにせスマホが水没したら終わるので。


煮た貝の小鉢と味噌汁も付いてきた


頃合いを見て、駅前のタクシープールへ向かった。気さくに話しかけてくるドライバーさんだった。いい雰囲気の人だが「オレ、塩釜の人間だからあんまりこの辺わかんねえんだわ。お客さんナビしてよ」との宣言で道中が始まった。タクシーは何台もいたのに、なんでこの車に当たってしまったんだろう……そういやこの車、ナビがないぞ…… 
「オレ、何歳に見える? 80代だけど」 うわあ……来たよこの会話……
こういう時は低めに答えて「実は●●歳なんだよ」「えー見えなーい」という会話をするのが礼儀なんだろうけど、寝不足だし、寝かせてくれ……と若干投げやりになって「年男の84歳ですか?」と答えてしまった。「……83歳。」と言われ、一瞬気まずい空気になった。けど、悪い人ではなかったので、その後も会話を続けていたが、いよいよとなり、私のスマホのグーグルマップを起動し、道案内することとなった。
そんなんある????

読み上げ機能を私がたびたび復唱したものの、一部スルーされ、少しだけ回り道をして、なんだかんだで国際村に8千円弱かけて到着した。
「帰りはどうするの?」と聞かれ、そりゃこの道のりを空で帰るのはもったいないだろうなと思ったが、迎えの会社への仁義もあり(そしてこの人の車に乗ることへの不安もあり)、丁重にお断りした。




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