エンジェルロール

東京工業大学ジャグリングサークル ジャグてっくの森です。

今日はポイのエンジェルロールの解説をします。

要約

正しいレールは橈骨の上、上腕二頭筋長頭の外側、肩甲骨の上。背中を転がる時に骨盤を思い切り前傾させて肩甲骨を寄せ、肩甲骨間の距離を短くする。腕を上げるタイミングは自然とつかめ。

エンジェルロールとは?

こちらの参考動画をご覧下さい。

こちらの冒頭で出てくる技がエンジェルロール+エクスチェンジです。

エンジェルロールは単体よりもエクスチェンジを組み合わせた方が完成度が高くなります。ぜひともここまでやりましょう。

エンジェルロールの練習

この技はそこそこ難しいのでいくつかステップを踏みましょう。具体的には以下です。

・前腕のロール
・肩の前までのロール
・胸を通すロール
・肩の上までのロール
・エンジェルロール

順を追って見ていきましょう。

前腕のロール

まずは前腕部だけのロールから練習しましょう。
ここでしっかりロールの感覚をつかみます。

練習

ポイのヘッドを掴んでバックワードで回します。
この状態から手を離し、ポイを転がします。

コツはポイに力を加えないことと、橈骨の上を転がすことです。
特に、橈骨の上を転がす感覚は掌を始点とするロール全てに共通するものなのでしっかり意識してください。

肩の前までのロール

さて、次のステップでは肩の前まで転がします。
ここで掴んで欲しいのはロールの距離を誤魔化すことと、上腕の正しいレールです。

ロールの距離を誤魔化すとはどういうことでしょう。
成人男性の腕の長さはおよそ600〜700mmです。
この上を100mmのポイが転がるとします。掌から肩まで転がる間にポイは1回転します。転がる距離はもちろん約314mmです。
なんと実際の距離と転がるはずの距離に2倍もの差が生じています。
普通にポイを転がすと不可能な距離のロールをやるためには、この2倍の差を誤魔化す必要があります。

具体的にどう誤魔化すかというと、ここでは腕を上げて坂を作りポイを軽く滑らせます。

練習

先程と同様にポイをバックワードで回し転がします。
肘の辺りまで来たら腕を上げ始め、上腕二頭筋長頭の外側を転がします。ここが正しいレールです。

腕を上げるタイミングを掴むのに多少手間取ります。また、上腕部の正しいレールである上腕二頭筋長頭の外側にうまく載せるのも最初は難しいです。根気よくやりましょう。

胸を通すロール

ここまで来ると後は多少楽になります。
ここで大事なのは前のステップと同様にロールの距離を誤魔化すことです。今回は肩の前を使ってポイを押します。

練習

前のステップに続いて肩の前までポイが来たら肩の前と腕を使ってポイを胸の方に押します。この時、体の中心でポイが垂直になるようなタイミングを意識しましょう。

ここまでで、チェストロールの完成です。

肩の上までのロール

チェストロールとエンジェルロールでは、肩でレールが分岐します。一応エンジェルロールの入り口まで転がすことに慣れておきましょう。

練習

肩の前までのロールと同様に転がし始めます。ここで三角筋中部の上を転がるようにします。ポイは落としても構いません。

エンジェルロール

いよいよ最後のエンジェルロールです。
エンジェルロールの正しいレールは肩甲骨の上です。首の上や肩甲骨の下では安定しません。
また、ここでは腕を上げて三角筋中部から後部でポイを押して距離を誤魔化します。

練習

肩の上までポイを転がします。腕を上げて肩でポイを押してポイを肩甲骨の上に送ります。そして、ポイが体の中心を通るのに合わせて骨盤を前傾させます。こうすることで自然と胸が開き肩甲骨が寄ります。この寄せた肩甲骨の上をポイが通ります。逆の腕は惰性で処理します。

コツは腕を思い切り上げてポイを押すことです。100mmのポイを使ってもウイングスパンをフルに通るロールの距離を誤魔化すには限界があります。潔く肩でポイを押してしまいましょう。
加えて、体の前から後ろへ転がす意識をするとうまく行きやすいです。

エンジェルロール+エクスチェンジ

最後にエクスチェンジを合わせましょう。
先ほども述べたようにこの技では思い切り腕を上げる必要があります。しかし片腕だけ上げていたのでは、ロールの距離を誤魔化しているのがバレてしまいます。そこで、もう片方の手も上げてさらに悪事を糊塗します。すると自然と両手の距離が近づきます。
ところで、ポイは2本1組で扱うことが多いですよね。ここでエクスチェンジをしてしまえば、これまでの詐欺はエクスチェンジのためだったと言い訳がききます。

実際、エクスチェンジまでできるようにしておけば2ポイのシークエンスの途中のどこでも挟めるようになるので便利です。

以上です。文字ばかりで多分ロールをやったことのある人にしか伝わらないでしょうが、それで十分でしょう。

ありがとうございました。

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