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ジルベスターコンのコバケン凄い話

昨日から今日の明け方までテレビで見た『東急ジルベスターコンサート2023-2024』の話をさせてください。

例年この番組は23時の終盤に演奏を始めた曲が0時きっかしに演奏し終わって、それであけましておめでとうございます。って新年の挨拶して次の曲へと移る、年跨ぎのコンサート番組なのですが、これが単純そうでも、とても難しいのです。

何故ならそんなつもりが無くても、ホールが想定以上に温まり奏者がノッてしまって所謂走る(演奏の速度が上がる)状態になったり、指揮者が時間にビビりペースを落とし過ぎて曲の盛り上がりに欠けてしまったりするんですよ。
同じ曲を同じ人間が演奏してても毎回同じ時間では終わらないですし、じゃあジャストに終わるならメトロノームで良いのかと言うとそうではなく人間の指揮者がやる揺らぎが人間には心地いいってのもあります。

良い演奏をして尚且つリアルタイムでジャストに終わるって本当に難しい。

ちなみに毎年やってるのでファンは去年の指揮者はどうだったと覚えています。だから音楽に優劣は付けにくい筈なのにどうしても比べられる。指揮者にはこれはこれでプレッシャーだと思います。

だから傾向としては最後がロングトーンで伸ばして終わる曲が選ばれがちなんですよ。最後にジャーンと伸ばすならそこが長いか短いかで調整して丁度終わるようにすれば大外ししませんからね。

とは言え2秒短く終わったり、1秒過ぎたりしがちです。個人的にはジャストに終わらないなら1秒前に終わるくらいが良いんでは無いかな?と思っています。って言うのも、0時ジャストになると紙テープがステージの上の飾りから飛び出して来たり、して終わりが聞こえなくなるからです。

さて長くなりましたが、今回の指揮者はコバケンでした。コバケンとは小林研一郎さんの事で、炎のマエストロとか呼ばれたりもしていますが、私はいつも通りコバケンと呼ばせていただきます。

コバケンが振る曲はチャイ5(チャイコフスキーの5番の事)で、この曲はロングトーンで終わらないんですよ。
そしてコバケンは以前59分59秒で終わらせた記録もありロングトーンで調節出来ない曲だと、その過去の栄光を汚すんではないかと勝手にドキドキしてました。

って言うのもコバケンの演奏会は何回も行っていますが、無難な演奏をせず、大当たりと大外れしか無いんですよ。
野球はよくわからないですが、4番打者のホームランバッターってきっとこんな感じなんだろうなと思うマエストロで私は大好きなのですが、今回のカウントダウンに大外れが出たらどうしよう。
いっその事録画をしてちゃんと終わらせたのを差し替えて放送してくれ!とルールを曲げても良いと思うくらいドキドキしてました。
またコバケンって指揮台の上ではちゃんとしてても、指揮台の下では結構なお爺さんで、もしかしたら最後の演奏会になるんじゃないか?といつも私を心配させます。(私が子供の頃からお爺さんだった印象があるので)

だけど今回もコバケンはやってくれました。中々他の指揮者にやれないジャストもジャスト。チャイ5って最後、走りたくなる曲なのに奏者を気持ちいいくらい導いてのジャスト。

本当に良い物見せてくれたなと思いましたし、コバケンは年男でもあるらしく今年は縁起の良い年になりそうだなとも思いました。

今年はコバケンの演奏会にまた行きたいです。

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