最近の記事

GeometryNodesで行列の積を計算する(Blender 4.1)

最近GeometryNodesで行列を扱うことが増えてきたので、メモとして書いておきます。 行列表現の定義ここでは、行列の各要素のポイントの半径として表現します。 また、横サイズをインスタンスの属性「W」として格納しておきます。 例 : 横2縦3で要素が3,1,4,1,5,9の行列 インデックススイッチなどを用いて次のように作成できます。 横サイズを得る行列の横サイズを取得したい機会は多いため、グループ化しておきます。 可視化計算上必須ではないですが、作っておくと

    • Blenderに機械学習をさせよう!【GeometryNodes】

      まずはこちらの動画をごらんください。 Blender上で8×8ピクセルの手書き文字認識のニューラルネットワークの学習を行う様子です。 左は学習中の推論結果、右はテスト画像240枚中何%正しく推論できたかを表示しています。 ランダムなパラメーターから出発して学習を開始し、私の実行環境では数秒程度でほぼ90%近い精度の機械学習モデルをつくることができました。 以前と何が違うか実は以前(10ヶ月前)にも、こちらの記事でBlender上で機械学習モデルを動かすという試み自体は行

      • Blenderでブロック崩しを作る

        本日(2023年6月28日)、Blender 3.6 LTSがリリースされました。 今回はその記念(?)ということで、注目の新機能である「Simulation Nodes」を使ってブロック崩しを作ってみました。 Pythonによるコーディング等は一切使わず、ボールの制御や当たり判定などをすべてGeometry Nodeで行っており、特にSimulation Nodes (Simulation Zone)が大活躍しています。 Simulation Nodesは前フレームの

        • 146日間に渡る、Geant4を利用したUnity製 素粒子シミュアプリの開発記録

          この度、Geant4を利用したUnity製素粒子物理シミュレーションアプリケーションを作りまして、Boothにてリリースさせていただきました。 この記事では、アプリ自体の説明ではなく、個人的につけていた開発日記(?)のダイジェストをお送りしつつ、やってよかったこととかも紹介できたらと思います。 (ざっくり日付が書いてありますが、大抵その日を開始として数日間にわたってその開発は行われています) 開発日記のダイジェスト「よし作ろう!」と思ったのは去年(2022年)の12月1

          BlenderのGeometryNodesで円周率10000桁を計算する

          GeometryNodes、大抵何でもできるので、円周率ぐらいサクッと計算できるだろってことで、やってみました。 準備今回はBlenderの2023年4月現在アルファ版となっている機能を使用します。 Geometry Nodes Simulation という機能で、専用のブランチで開発が進められていますが、定期的にビルドされており、以下のページからダウンロード可能です。 ダウンロードして展開し、フォルダ中にあるアプリを立ち上げるとアルファ版Blenderを起動することが

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          BlenderのGeometryNodesでゲームを遊べるようにした

          Simulation Input / Output ノードのおかげでもはや何でもできるようになってしまったので、とりあえずゲームでも作るか、ということで作ってみました 洞窟の中を紙飛行機が飛んでいく、というようなワンボタンアクションゲームになっています。 この記事では実際にノードを見せつつ、各工程で「大体こんなことをやっています」というのをざっくりと解説していきます。 環境について今回「Simulation Input」「Simulation Output」という2つの

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          BlenderのGeometryNodesでライフゲームを作る

          Blender 3.5 の開発中のバージョンにシミュレーションが行えるGeometryNodesの機能が追加されていたので、とりあえずサクッとライフゲームを作りました なんとたった33ノードで作ることができました。 512×512セル程度であれば1フレーム30msぐらいで動作させることができます ノードの画像見ただけでは何してるか若干わかりづらい部分もあると思うので、少し解説します。 環境について今回「Simulation Input」「Simulation Outp

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          BlenderのGeometryNodesで機械学習モデルを動かしてみた

          機械学習モデル(ニューラルネットワーク)は、たくさんの数値に対して値をかけたり、足したり、合計したり…といった操作をすることで問題を解きます。 そしてGeometryNodesは、(本来は3Dモデリングやモーショングラフィックスのための機能ですが、)たくさんの頂点(ジオメトリ)に対して値をかけたり、足したり、合計したり…といった操作が可能です。 ということは機械学習モデルをGeometryNodesで動かすこともできそうですよね。 実際、動かせました。 実際に動かして

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          線形代数をBlenderで、やる

          「線形代数をBlenderで、やる」とはどういうことでしょう? とりあえずこの画像を見てください これだけではよくわからないと思いますが、 要するに下の画像と全く同じ計算をやっています Blenderのノードの側にもよく見ると、3,1,4…と、 WolframAlphaの画像と同じ値が並んでいるのが確認できます さて、このBlenderのノードシステム(GeometryNodes)ですが、 本来は3DCGのジオメトリをプロシージャルに生成にするためのもので、 決して線

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          Blenderでお手軽に球面調和関数を描こう

          球面調和関数を描いたこと、ありますか? 多分描いたことない人が多いと思います 私はこの記事を書くにあたって初めて描きました 球面調和関数はこういうやつです 電子軌道と密接な関係があり、似たような形の図を化学の教科書などで見たことがある人もいると思います 電子軌道の模型は国立科学博物館にも展示されています おもしろい形ですよね ところで最近、Blenderという3DCGソフトが流行っていまして、 なんとこれを使うとお手軽に球面調和関数が描けます!! という人でも大丈

          Blenderでお手軽に球面調和関数を描こう

          【Blender】Geometry Nodesの「フィールド」について

          突然ですがこの画像を見てください よく見るとソケットの形状が丸いものとひし形のものがありますが、 これらの違いが説明できますか?(説明できるならこの記事を読む必要はないです) この2つの違いは「フィールド」という概念に関連しています 丸いソケットはフィールドが使えません ひし形のソケットはフィールドが使えます フィールドとそうでないものの例フィールドとはなんでしょうか? 例えば以下のオレンジで囲んだものはフィールドです 一方、次の例はフィールドではありません UI

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          僕が一浪して入学した静岡大学を辞めるまで

          初めに断っておくと、静岡大学は普通に良い大学だと思います。本当は辞めたくなかったです。 辞めたくなかったと言っても、じゃあなにかに脅されて辞めたのかとか、病んでしまったのかというと全くそういうわけではないです。 自分の意思で決めましたし、単純に大学よりもやりたいことが見つかったからそっちに注力するためにやめることにしました。 不幸にも大学を辞めることになったわけではなく、むしろ僕はかなりラッキーで大学を辞めるまでに至ったので、これを読んで軽率に大学を辞めようっていうのは

          僕が一浪して入学した静岡大学を辞めるまで