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9/13(月)-9/19(日) 1週間のミャンマーでの出来事まとめ

今週もまた まとめてみました。3週連続。

犠牲者数

死者 1,109名(先週 +29名)
逮捕 8,265名(先週 +389名)
うち現在も拘束中 6,613名(先週 +383名)
逮捕状発行 1,984名(増減なし)

9月 14日 国連総会 開始。Kyaw Moe Tun 氏 出席も…

 今週、最も注目されていたのが 国連総会で、誰が ミャンマー代表として出席するのか、という問題。現状は、引き続き Kyaw Moe Tun 氏が国連総会には出席。現状維持、という感じ。


 中国と米国が握り、これまでの体制は維持で Kyaw Moe Tun氏を国連総会に出席させつつも、ハイレベルウィークには発言をさせない、方向か…?
という報道。 誰を代表にするか、は先送りに。


TIME誌「世界で最も影響力のある100人」にミャンマーの女性活動家2名が選出

加えて、ミャンマー系アメリカ人 女性 で NASAのヘリコプタープロジェクトの開発を主導した エンジニア の Mi Mi Aung 氏も選ばれている。


9月14日から一部エリアで軍によるインターネット遮断

8月 20日から遮断されてるエリアもあるようだが、通信遮断されているエリアが拡大している模様…

関連して、Irrawaddy が投稿していた情報を共有。通信遮断エリアから、世界に情報を届けるため、通信にアクセスできるミッチーナまで、バスで6時間掛けてやってきた、と。

テレノール の 撤退理由が明らかに…?

この件については、Mytel と MPT は…? 軍に従って通信傍受や通信妨害の技術を導入済みなのだろうか…?


ミンアウンフライン総司令官、ミッチーナへ


スーチー氏の現状

13日、めまいで裁判スキップ

14日、体調回復し弁護士とも面会


地場銀行 大手 KBZ銀行が 謎のキャンペーン開始

 現金引き出しできずに困っている、という声が山ほどある中で、銀行口座を新規に開設しよう、と考える人なんているのだろうか。他の銀行が使い勝手悪いから移行しよう、みたいな動きがあるのだろうか。
 こんな時期に、お金を集めようとか、何か裏の目的があるのか…?この先何か起きるのでは? と逆に疑ってしまう。
 なお、この新しい銀行口座、というのは、何かと制限が多いらしく悪評高い。


ミャンマー国有航空会社が経営難

 先進国でもコロナ以降、経営難に陥る航空会社が多いので、ミャンマーも同じだろう。そして コロナだけでなく、クーデターまで起きたわけで、まったく復活の兆しはない。どうなるのだろうか…


国民統一政府(NUG)が韓国に駐在事務所を開設

 ここに登場する Yan Naing Tun氏 については、韓国に 30年以上住んでいる方、だそうで。88運動の後、韓国で生活をしており、強いNLDの支援者でもあったようだ。(川端さん、情報ありがとうございます)


また 軍のプロパガンダ紙 国営新聞の記事(こちら)にも、クーデター以降 民主派勢力に 多額の送金をした人物として下記のような形で名前が出ていたようだ。

「Yan Naing Tun 名義の口座から 2/19-3/3にかけ、16.85億ウォン(2.086億ks ≒ 当時レート1,560万円超)がミャンマーのCDMスタッフに送金された」


国連人道問題調整事務所 上層部がミャンマー訪問。軍は要請を拒否。

 国連人道問題調整事務所の上層部が 9/13-15 にかけてミャンマーを訪問。その際 COVID 19 対策を含めた人道支援を拡大するため、条件付きの要請をしたが、軍はそれを拒否。 条件の詳細はわからないため、その条件が飲める内容ではなかったのかもしれないが、、、なんとも。
 2008年 5月に大型サイクロン・ナルギスが発生し、死者・行方不明者あわせて 13万人超が犠牲になった。その際にも 国際機関は人道支援をしようとしたが軍がそれを拒否した歴史もある。都合の悪いものは隠そうとするのだろうか… なお、ナルギス発生 1週間後に 国民投票を強行。この投票を通じて、当時の軍政は、軍優位で知られる 2008年憲法を制定。なお軍の発表によれば、投票率 98.12%、賛成率 92.48%、と…
 


国民統一政府(NUG)の防衛のための戦い宣言は軍の作戦の動きを見越して

そして、軍や警察の脱退者 受け容れプログラム 本格化。

ワ州が 軍に言及。ちょっと気になる。

チン州がとても心配


軍が、東京のミャンマー大使館の土地の売却を画策…? 

 実は、軍は 品川にある大使館の土地を売却している。1988年(昭和 63年)頃から軍は土地の売却を検討していた、と国会答弁(下記に転載)にはある。
 結果的に、当該土地は 当時の 三松建設オーナーの小野寺氏が購入。バブル期の東京・品川の土地であるから、金額は 600億円だったそうだ。(参考記事はこちら)そして、このお金は当時のミャンマーを救う事となった。小野寺さんが、土地購入後、ミャンマー入りした際には、国賓として盛大にお迎えされたそうだ。今となっては、色々思うこともあるが、ミャンマーとしては国の財政危機を救った日本人だから、お出迎えするのは当然なのだろう…
 小野寺氏は、超一等地の土地を軍から分け与えてもらう事となった。「ホテルでもやってくれ」と軍から言われたようで、その土地に建設されたのが、今ある ヤンゴン・インターナショナル・ホテルだ。一級建築士でもある小野寺さん自ら設計した、という。
 ホテルの屋上からは、遮るものなく シュエダゴンパゴダがドーンと見える、まさに一等地だ。国を救った見返り、という事になるだろう。
 にしても、この仲介をしたのは一体 誰だったのか、とても気になる。

 気になって調べたところ、過去にこんな国会答弁があった。気になったのは、” 大手商社十四社が理事企業となっている日本ビルマ協会から「要望書」が出され ” との文言。答弁上は、要望とは関係ない、としているが、大手商社 14社が理事企業である 日本ビルマ協会って、どこかで聞いた事あるような…似たような組織があったな…
 そして 偶然 その似たような名称の 現代版にあたる協会の会長は、偶然にもこのタイミングでミャンマーに渡航中。会長は、1987年から軍と接点を持った、と。そして、前回の土地売買が浮かび上がったのが 1988年。なかなか偶然が重なるものである。

 さて土地売買が起こりうるのか? 個人的には、ありえない、と思っている。軍には売り主としての正当性がない。これがすべてだ。

仮に、そうだとしても、その前にも幾つかある。
・そもそも買い手があらわれるか?
 軍から土地を買うことは、軍にお金を渡す事になり、結果として、非人道的行為を行なう軍を支援する事になる。そんな取引をする非人道的な日系企業があらわれるのか…? ここもある。一部上場企業等は普通に考えれば、買えないだろう。それでも金儲け主義で、国際的な評判等を一切無視できる、金儲け主義の誰かが買う可能性はゼロではない。ただしハードルはかなり高いと思っている。

・この売買手続きを仲介する業者も業者だが、お金のことだけを考えて、淡々と進める仲介業者があらわれる可能性はゼロではない。

・軍の正当性、ここが最も重要な点だ。
 基本的に、日本政府としては、軍を 政府としては認めない立場をとっている。その事は、国会決議でも決議され、明らかになっている。
 つまり、1990年当時のように「軍を政府として承認」はしていない。であるから「政府が売ろうとしているわけではない」と判断することになる。
 もっといえば「よーわからんやつが売りたいって言ってるで?」ってレベルだ。
  軍が立場を濫用し、国としての印鑑を押すことが幾らできるとしても、売り主の権利もない人間が、勝手に土地を売ろうとしている、という事になるのだ。だから成り立つわけはないだろう。

質問

ビルマ(ミャンマー)連邦の駐日大使館敷地の売却に関する質問主意書

 ビルマ(ミャンマー)連邦においては昨年九月十八日、ソウ・マウン軍事政権が成立すると同時に、全土に戒厳令が布告され今日を迎えている。昨年十月、同政権は在日大使館所有地を売却するとの報道があった(例えば、十月十九日付け中日新聞)。今年一月二十五日には大手商社十四社が理事企業となっている日本ビルマ協会から「要望書」が出され、それを受けた形で日本政府は二月十七日、同政権を承認している。こうした経緯にかんがみ、以下のことについて質問する。

一 日本政府のソウ・マウン政権承認について
 日本政府のソウ・マウン政権承認は、世界で第何番目に当たるのか。日本の承認以前に同政権を承認した国はどこか。承認の順位によって示されたい。また、日本の承認以降現在までに承認を与えた国はどこか。承認の順位によって示されたい。

二 ビルマ連邦の駐日大使館用地について
(一) その所在地はどこか。その所有権者は誰か。その敷地面積はいくらか。また、その公示価格、路線価はどうなっているのか。
(二) 同敷地の取得時期及びその経緯はどうか。
 フィリピン大使館については、日本の国有地を対フィリピン賠償の枠中で無償供与したというが、ビルマについても同様の経緯があったのかどうか。
(三) 昨秋の在日大使館所有地の売却報道に関して、日本政府はその件を承知していたのかどうか。また、この件はその後どう推移しているか承知しているのかどうか。
(四) 売却が行われた場合、その所得に対する課税はどのように扱われるのか。
(五) また、売却が行われた場合、地価高騰を招くおそれがあるが、いかなる対応がなされるのか。
  右質問する。


答弁

参議院議員田英夫君提出ビルマ(ミャンマー)連邦の駐日大使館敷地の売却に関する質問に対する答弁書

一について
 欧米主要国の中には政府承認制度を採用していない国も多く、また、政府承認制度を採用している国の中にも政府承認を行ったか否かにつき明らかにしない国もあるので、我が国による現ミャンマー連邦政府に対する政府承認が世界で何番目に当たるかを明示することは困難である。
 なお、我が国政府による現ミャンマー連邦政府承認は、客観的に見て政府承認を行うための国際法上の要件である実効的支配並びに国際法遵守の意思及び能力を既に満たしていると判断するに至ったために行ったものであり、御指摘の「要望書」を受けたことによるものではない。

二の(一)ついて
(1) 平成元年八月十七日現在、政府として把握している御指摘の大使館敷地の所在地、 所有権者及び敷地面積は次のとおりである。
 所在地 東京都品川区北品川四丁目三百三番四及び三百三番六
 所有権者 ミャンマー連邦(ただし、登記上は旧国名の「ビルマ連邦」)
敷地面積 五九八八・三二平方メートル(三百三番四)及び九二五五・五九平方メートル(三百三番六)
(2) 御指摘の大使館敷地に近接する同質の用途の土地(標準地番号は、品川十(東京都品川区北品川五丁目七一八番八八。第一種住居専用地域、容積率百五十パーセント))の地価公示価格(昭和六十四年一月一日時点)は、一平方メートル当たり二百四十万円である。
(3) 御指摘の大使館敷地の路線価は、大部分が一平方メートル当たり八十一万円、一部が百十九万円である。

二の(二)について
 御指摘の大使館敷地は、昭和十九年及び昭和三十七年に当時のビルマ政府が購入、取得したものであり、賠償等により我が国政府が供与したものではない。

二の(三)について
 昭和六十三年頃からミャンマー連邦政府が御指摘の大使館敷地の一部について売却を検討していることは承知しているが、売却に関するミャンマー政府の具体的な対応振りについては承知していない。

二の(四)について
 一般論として、外国政府が我が国において得る所得のうち、通常の政府機能の範ちゅうに含まれる行為に基づく所得については、相互主義を前提とする国際的な礼譲により免税としている。
 各国大使館の土地の譲渡による所得について、免税の取扱いをするかどうかについては、相互主義の前提が満たされるかどうかなどの事実関係を把握した上で判断することとなる。

二の(五)について
 外国大使館敷地等の売却に対しても、従来から国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)の届出を求めているところである。
 御指摘の土地が売却される場合の届出に基づく処理は、東京都知事が行うこととされているが、政府としては、地価の安定の観点から関係行政機関相互の連絡を密にし、国土利用計画法の的確な運用に努めてまいりたい。


質問

答弁


最後にちょっとミャンマー文化・音楽の宣伝


というわけで、クラウドファンディングやってるようですので、ぜひ応援いただければ幸いです。

そして、せめて 当日の無料配信で、ミャンマーの音楽・文化を楽しんでいただければ幸いです。

現在、写真展・絵画展は下記リンクより、ご覧いただけます!
素敵な作品たくさんなので、ぜひご覧くださいませ。


あと、本当の最後の最後に。

ミャンマー語検定 12月11日 & 12日 開催だそうです!


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