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ZINE before story

 「色が訴えかけてくる」という感覚をずっと子供の頃から持っていました。みんなあると思います。なんか目がチカチカするなぁとか、やたらと目につくなぁという色があったり。でもそういう目につく色も時間が経つと色褪せてしまうなと思います。

 普段から色々な色彩に囲まれて生きている私は、いつか過去の色を見た衝撃を忘れて、あれよあれよと日々を無駄にして生きています。僕はたくさんの色と触れ合う中で、たくさんの色を忘れてしまっていたんだと思います。

 よく見る青は?って聞かれて、Twitterの青だなぁ思ったくらいには、僕のよく見る青はTwitterでした。

 そんな私でも、ちゃんと青と向き合って、僕なりの青を見せたいなぁと思って作りはじめました。

 僕が最初に思い出した青はランドセルの青でした。そいつは小学校、中学校、高校とずっと一緒で、仲良い友達やグループは違ったけど、よく2人で地元でゲラゲラと話す仲でした。

 そいつのイメージカラーはいつも青でした。ランドセルの青でした。中学と高校のカバンは自由だったのに、大学に入った今でも、そいつのイメージは青だったなぁと思います。

 今回ZINEで「青」をテーマにやるってなった時に、最初は空とか海とかの青を題材にしたいなと思いました。でも、写真フォルダをいくら見返しても、そんな写真は手元にありませんでした。

 どうしようどうしようと思っていた時に、その青いランドセルの友達からたまたま連絡が来て思い出しました。

 サン=テグジュペリの『星の王子様』で「大切なものは目に見えない」というフレーズがあります。そうでした。思い出しました。

 僕の「青」は、空でも海でもないし、写真フォルダにもない、僕の瞳の中だけにある「青」

 そういう「青」を大切にしたいし、久しぶりに埃を払ってあげたいなと思いました。

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