DQ9 オンリー地図の仕組み

 今日はDQ9オンリー地図についての話をします。

「オンリー地図」って何?
 みなさん「まさゆきの地図」という名称を聞いたことがありますね。この地図は「B15Fメタルキングオンリー」、すなわち「地下15階で、メタルキングのシンボルしか出ない」地図です。「オンリー地図」は、このような「一つのフロアに1種類のモンスターしか出てこない」というものです。

どうしてこんな地図が存在するの?
 ドラゴンクエスト9(DQ9)のゲームプログラムに「メモリーオーバーフロー」というバグがあります。「オンリー地図」は、そのバグによって生成されるものです。
 「メモリーオーバーフロー」は、内容物(データ)が多すぎて、ニンテンドーDSの本体メモリーに使用される最大容量でも収納しきれず、そのデータの末端部分がカットされ、メモリーに入れないのです。そのカットされた末端部分のデータは、モンスターリストの後半部分が含まれます。よって、カットされたリストの後半部分に記載したモンスターは出なくなります。
 カットされた部分の長さによって、このタイプのフロアは「敵無」「オンリー」「敵減」3種類に分類されます。もしカットされた部分に、そのフロアに出てくるモンスターの
 ①「全種」が含まれたら、敵が出現しません。このタイプのフロアは「敵無」と呼ばれます。
 ②「1種」だけ除外され、他の全部が含まれたら、その除外された1種類のモンスターだけが出現します。このタイプのフロアは「オンリー」と呼ばれます。
 ③「2種以上」が除外されたら、除外されたモンスターだけが出現します。このタイプのフロアは「敵減」と呼ばれます。
 ということです。
 図で説明すれば、以下となります。
 (工事中)

どうしてメモリーに入る内容物(データ)が多すぎになってしまうの?
 実はこの現象は滅多に出現しません。宝の地図に生成されたフロアが15×15〜16×16の巨大サイズ、かつそのフロアの進入可能な空間が非常に広い場合でしかこの状態になりません。
 壁など進入不可な空間はメモリーを使いません。進入可能な空間だけがメモリーを使います。進入可能な空間が一定の広さを超えると、データの容量は使用可能なメモリーサイズの最大限を超え、データの末端がカットされるようになります。進入可能な空間が広いほどデータが大きくなり、従ってカットされた末端も多くなり、出てくるモンスターの種類が減少され、あるいは無くなります。

どのモンスターでも「オンリー」になれるの?
例えば「遺跡ランク12」に「プラチナキング」があることによって、「プラチナキングオンリー」が存在すると考えたけど、存在するの?

 いいえ、「オンリー」になれるモンスターはある規則に定められます。以下で説明します。
 「モンスターリスト」に記載されるモンスターは、固定順番で並べています。あるフロアに出現するモンスターは、地形およびモンスターランクから選出されますが、その選出されたモンスターはいつでもその順番を従います。例えば以下モンスターの順番は
 ①ラストテンツク
 ②ゴールデントーテム
 ③ヘルバトラー
 ④スライムマデュラ
 ⑤サタンメイル
 ⑥まほうのかめん
 ⑦アイアンブルドー
 ⑧ビュアール
 ⑨ボーンスパイダー
 遺跡ランク8は①②③④⑦、遺跡ランク9は①④⑤⑥⑦、遺跡ランク10は②⑤⑥⑧⑨が選出されます。前述の通り、「オンリー」は順番の先頭以外全てのモンスターが「カットされる」ことで、遺跡8〜9の先頭①、遺跡10の先頭②が残されることによって、遺跡8と遺跡9の「オンリー」は「ラストテンツクオンリー」にしかならず、遺跡10の「オンリー」は「ゴールデントーテムオンリー」にしかなりません。

 さて、遺跡ランク12の話に戻りましょう。
 遺跡12で選出されたモンスターの順番は
 ①ゴールドマジンガ
 ②ファイナルウェポン
 ③キマイラロード
 ④プラチナキング
 ⑤ボーンスパイダー
 もうわかるでしょう。先頭になれるモンスターは「ゴールドマジンガ」です。「プラチナキング」は4番目です。つまり遺跡12の「オンリー」は「ゴールドマジンガオンリー」。「プラチナキングオンリー」なんかの存在はあり得ません。
 (但し、「地図法(A TABLEというゲームプログラム解析データの実用例)」という裏技で、特定の宝の地図でプラチナキングのシンボルを必ず出せることは可能です。)

「オンリー」になれるモンスターの全てを教えて。
 洞窟
 (1 マージマタンゴ)
 (2 ピンクモーモン)
 (3 スーパーテンツク)
 (4 メガザルロック)
 5 ダークデンデン
 6 フロストギズモ
 7 ゴールデントーテム
 8 マポレーナ
 9 ラストテンツク
 10 メタルキング
 11 ラストテンツク
 12 レジェンドホース
 遺跡
 (1 はにわナイト)
 (2 メーダロード)
 (3 ようがんピロー) ※メタルブラザーズは2番目
 (4 スーパーテンツク)
 (5 トーテムキラー)
 6 キャノンキング
 7 はぐれメタル
 8 ラストテンツク
 9 ラストテンツク
 10 ゴールデントーテム
 11 ゴールデンスライム
 12 ゴールドマジンガ
 氷
 (1 さまようたましい)
 (2 ベホイムスライム)
 (3 グール)
 (4 死霊の騎士)
 (5 ダークホビット)
 (6 キラーマシン)
 7 フロストギズモ
 8 アカイライ
 9 スライムマデュラ
 10 ゴールデンスライム
 11 あんこくまじん
 12 あんこくまじん
 水
 (1 かいぞくウーパー)
 (2 メダパニつむり)
 (3 ヘルバイパー)
 (4 ベホマスライム)
 (5 影の騎士)
 (6 影の騎士)
 7 マポレーナ
 8 メタルキング
 9 まかいファイター
 10 まかいファイター
 11 ドラゴン・ウー
 12 ドラゴン・ウー
 火山
 (1 ウパパロン)
 (2 ようじゅつし)
 (3 アイアンクック)
 (4 はぐれメタル)
 (5 マグマロン)
 6 ヒートギズモ
 7 レッドドラゴン
 8 ナイトリッチ
 9 メタルキング
 10 れんごくまちょう
 11 アンドレアル
 12 アンドレアル
 ()のモンスターはモンスターランクが低すぎて、実際にオンリー地図が存在せず、そのランクの先頭モンスターを教えるつもりだけです。ランク3以上は特定の地図において「マルチプレイバグ」の使用により「マルチプレイバグ使用限定のオンリー地図」に変わるかもしれません。

 ちなみに、モンスターリストの順番は特殊例があります。以下で説明します。

俺が「はぐれメタルオンリー地図」の「オンリーフロア」の中で宝箱を開けたとき、「ミミック」が出たけど、一瞬に消えてしまった。これバグなの?どうして?
 この現象は、極めて特殊であり、以下の原因によって発生します。
 さっきから「モンスターリスト」に記載されたモンスターは、固定順番で並べることを紹介しました。実はこの順番、また一つの特徴があります。
 ①マージマタンゴ、ベンガルクーン、しびれあげは、さまようたましい、アイアンクック、ベホマスライム、はぐれメタル(この7種類は、お互いの順番がわからないが、②より先のことは確実)
 ②ひとくいばこ
 ③ミミック
 ④パンドラボックス
 ⑤上記以外、全ての宝の地図に出てくるモンスター
 この特徴により、はぐれメタルが正常に出現しますが、ミミックが一瞬に消滅される原因は、メモリーオーバーフローの影響によって、はぐれメタルはメモリーに残されたが、ミミックが「カットされた」のです。
 上記の通り、はぐれメタルと他6種でしか「ひとくいばこ・ミミック」等トラップモンスターの順番より前にならないので、「オンリーフロアの宝箱から出たひとくいばこ・ミミックが消える」ことは「はぐれメタルオンリー」(および一部の敵無地図)でしか発生しません。
 ※はぐれメタルは遺跡ランク7のため、宝箱のランクは最大Cまでです。よって、パンドラボックスは出ません。割愛します。
 ちなみに、全79種類の「はぐれメタルオンリー地図」は、
 ①ひとくいばこ・ミミックが共に正常出現
 ②ひとくいばこ・ミミックが共に消える
 ③ひとくいばこが正常出現、ミミックが消える
 3つのタイプがあります。実用性は無いですが、オンリーの仕組みに関するさらなる研究に役立つかもしれません。

参考文献
 1. Grotto Mechanics Guide, Terence Fergusson, https://gamefaqs.gamespot.com/ds/937281-dragon-quest-ix-sentinels-of-the-starry-skies/faqs/61151


 

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