見出し画像

当事者じゃないから、行かない?

夏休みの終わりに、東京レインボープライド(TRP)のパレード部門のキックオフがあった。TRPとは、「らしく、たのしく、ほこらしく」をモットーに例年ゴールデンウィークに渋谷で性的マイノリティのパレードをはじめとするイベントを行っているNPO法人である。今年のパレードにボランティアとして参加し、来年のパレードに向けて運営に関われることになった。運営の方は当事者の方が多い。わたしはあまり言葉として言うことも言われることもなかったので意識していなかったが、アライである。アライという、あくまで当事者ではない立場でどのように関われば良いか考えたことがあるが、あまりよく分からなかった。ボランティア体制に関わりたいという想いで入ったからかもしれない。しかしキックオフでの話を通して、LGBTに関心はあるものの、実際はよく分からないと思っている人や自分なんて行ってもいいのかと思っている人に対してアクションできたら、何か伝えられたらいいなと思った。

キックオフのご飯会で、FtMの方の話を聞いていた。幼少期の自分の性に対しての違和感の話や、カミングアウトができる環境、信頼関係の話など色々話してくださった。でも、話を聞いて「やっぱり全部の想いは共有しきれない。100%の想いはきっとわたしの頭の中では60%くらいに薄まっている気がする。」と思った。分かり切れない私が、運営としてこの場に居ていいものか、とも思った。そんな時、話はパレードのことに移り、参加者の話をしていた。FtMの方の友達をパレードに誘った時、友達は「わたしなんかが行って良いのかな」と言っていたそうだ。それに対して、「誰にでも来てほしいし、別にLGBTだけのための場所じゃない」と言っていた。どちらの気持ちも分かる。わたしもTRPに参加する時に、自分はどうすればいいか分からないからボランティアとして参加した。でも、参加してみたら別に性的指向も性自認も関係なく、自分は自分であればいいと当たり前のように感じられた。参加したら雰囲気も分かるし、何かしら感じてもらえると思うのだが、行くまでのハードルが高い。しかし、きっとそれは非当事者だけではなく、当事者の方でも行く勇気が出ない人もいると思う。その部分では同じだ。だけど、非当事者は自分とは関係のない世界、自分が行ってもしょうがないと思っていることがあると思う。それはLGBTという言葉は知っていても、実際に発信している人を直接見たことなかったり、周りにいないから(言ってないだけでいるかもしれない)、よく分からないのだと思う。むしろ「ちょっと知ってる」ことで、「あ、知ってる。こういう人達のことよね。」と、ちょっと自分とは別の存在として避けてしまうのかもしない。

LGBTQ+とカテゴライズされているから、別の存在と捉えがちだけれど、1人ひとりの話を聞いたら1人ひとりのストーリーがある。LGBTQ+だと思っていない人たちにも1人ひとり違うストーリーがある。ただ、違うストーリーの中で似た気持ちを共有できるだけの違いだと私は思う。夏に地方に行ったら、まだ「彼氏はいるの?」と聞かれる現実である。だし、地方だけじゃなく、まだまだ身の回りにあると思う。話す内容に困って何を聞いたらいいか分からない状況かもしれない。そうしたら、その人の周りのことではなく、その人が関心あることとか聞いたらいいじゃない。

#MELCブログ #秋学期の始まり_mb

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?