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UMA

訳の分からない生き物に襲われている家があった。
家の中は、こいつらが蔓延っていて、人の生き血を吸い尽くし
住人はとっくに絶命して白骨化しているかも知れない。
さあ、区役所か保健所か、はたまた警察に知らせなくては・・・
 
UMAはUnidentified Mysterious Animalで無理矢理訳すと
未確認不可思議動物となる。
UFOにひっかけた正真正銘の和製英語で、海外では通じない。
日本ではそのまま読むと「うま」だから
不可思議でも何でもない馬となるため、
わざわざ「ウーマ」と呼ぶことを愛好団体が推奨する。
 
ウーマと云えば、ネス湖のネッシー、ヒマラヤのイエティ、
アメリカのビッグフット、南米のヤギの血を吸うチュパカプラ、
ノルウェーの巨大タコのクラーケンが有名。
日本ではカッパ、ツチノコ、南極観測隊がゴジラのような怪物に
遭遇したことから南極ゴジラが知られる。
 
それにしても窓に張り付いたこいつはなんだろうか。
UMAに認定されないだろうかなどと妄想を深めて見ていると、
窓の内側で、トイレの水を流すジョジョーという音が聞こえてきた。
はっと、冷静になって気付いた。
そうか3,4年前に大型台風が来たときに、どこの家も窓ガラスに
ガムテープでバッテン十字に貼って補強したことがあったっけ。
年季が入るとこんな形になっちゃうんだ。
それにしてもこの家の住人は毎日トイレをしているときに
これを眺めて何も感じていない。
その事の異常さに身が震える恐怖感に変わっていった。

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