思わぬ出会いと「踊り子」と

11回目の「弾き語りリクエスト」もこれでラストです。

村下孝蔵さんの「踊り子」

https://youtu.be/oiTMQU6B9Lg

リクエストは「好恵」さんからです。

『誠にお恥ずかしい思い出話と共にリクエストさせて頂きます。

かなり長いお話になります。

今から40年くらい前でしょうか、私の知人が絵を描いておりまして
年に一度、個展を開いておりました。
それほど仲が良かったわけでは無いのですが、毎回招待状を送ってくれるので
出掛けておりました。
その年も見に行ったのですが私の他には誰もおらず
まあゆっくりと見ていたのです。
知人の絵は印象派の少し前、バルビゾン派の
ような作風でして、決して嫌いな感じではありません。
どれも田舎の風景や海岸をカラフルなタッチで描いておりました。
と、彼女が近づいて来て

ー　どう？今年の作品は？

ああ。楽しませてもらってます。いつも招待して下さってありがとう。

ー　ねえ、どの絵がお気に入り？

そうねえ。あの打ち上げられた小舟のとか良いわね。

ー　う～ん、あれかあ・・・まあ自分としてはもうちょっとかな。

どうして？　空の色と朽ち果てた舟の対比がいいじゃない。

ー　他にもっと良いのがあるんだけどなあ。

そこに彼女の絵の先生って方が入ってこられて

ー　アラ～素敵な場所を借りたわね。地下鉄駅からも近いし。

ー　先生、わざわざありがとうございます！

ー　さっそく見せて頂こうかしら。ふ～ん初めて見るのもあるわね。

ー　先生、私のこの絵どうです？　この彼女が良いって言ってくれるんですけど。

と、私が先ほどほめた絵を示すではありませんか。

ー　そうね～　どうでしょうねえ～？　まあ素人が好みそうな絵ではあるわね。
　　まあアナタの絵にしては構図がちょっと残念ね。
　　そして青色と鈍色のコントラストがイヤらしいわ。
　　日頃、ポスターしか見てない人にはカッコ良く見えるかもね。
　　それよりコッチの絵が良いんじゃない。この山小屋。

ー　ですよね、先生。この線が上手く書けたと自分でも思ってたんですよ。
　　さすが先生。この絵をほめて下さって嬉しいわ。

その後、知人は先生と二人でずっとしゃべってて私は相手にもされませんでした。
すごくイヤな感じがしました。素人って・・・そうだけど、失礼しちゃうわ。
私がほめたのもアナタの描いた絵じゃないの！
もう帰ろう、そして二度と来るもんか。

その時に男性が一人、入ってきました。

「あの～見せて貰ってもいいですか？」

ー　はい、どうぞ。

「へ～、上手い絵ですね。どれも良いですね」

ー　みなさんに聞いてるのですけど、どの絵がお好きですか？

「・・・そうですね・・　ああ、これ！　これがパッと見ただけでも
印象に残りますね」

と、選んだのが「打ち上げられた小舟」の絵。
そうです。私が選んだ絵。

ー　え～　これですか・・・

「はい、絵に広がりがあって・・・いいです」

ー　横からすみません。あなたご自分で絵を描くの？
　　この絵は私たちから見るとまだまだなのよ。

「そうなんですか？　専門家さんは細かいことにこだわるんですね。
僕には単に良い絵としか見えませんでした。ねえアナタもそう思いませんか？」

と、急に私に話しかけるではありませんか。

「はい、私もそう思ったんですよ。でも色々あるみたいです」

知人と先生はまた二人で何やら話を始めたので
私たちも出ることにしました。

一階の喫茶店で彼とお話をしました。
ほんの15分くらいで彼は仕事に戻っていきました。
一枚の名刺を置いて

信じて貰えないかも知れませんが、その彼が今の主人です。

あんなイヤな知人の絵が私たちを偶然にも引き合わせてくれました。

新婚旅行はもちろんオルセー美術館へ。
素晴らしい光の世界がそこにはありました。

帰国したら「踊り子」って歌が流行ってました。

「ちょうどオルセーで見たわね。(^_^)」

「本当だ、それとは違うようだけどタイトルは同じだ」

とても恥ずかしい話をダラダラと書いてすみませんでした。

そんな訳で村下孝蔵さんの踊り子をお願いします。

サトウさんの弾き語りはいつも主人と見させてもらってます。
今後もお元気で歌い続けてください。』

はあ～こんなこともあるんですねえ～。
なんだかドラマのような展開・・・う〜ん・・歌になりそう。

でも、確かにやたら鼻につく「専門家のセンセイ」っていますよね〜
なんであんなに威張ってて人を小馬鹿にするんだろう、って人(^_^)

それはともかく、今回のラストを締めくくるのにふさわしい曲になりました！

さて、バレンタインデーにちなんだ今回の5曲。
いかがだったでしょうか。
どれも（オレのはのぞき(^_^)）素敵な愛の歌だったでしょう！

これからリクエストしようと思った方
「そ、そんなにドラマチックなエピソード無いとダメなの？」
って思ったかもしれませんね(^_^)

なくてもOKですよ。　ただ「好きな歌だから」、で十分ですよ。
いつやれるか分からないけど、リクエストお待ちしてます。

そして井上紗耶さん、いつもありがとう！
演奏のほかに「人気」の面でも井上さんの貢献度は大です(^_^)

さて、次回は・・・なにやろうかな？
天野さんの誕生日かな？

お楽しみに！