気づけば3月一度も更新していませんでした。無精者で御座います。



僕は友達がいないことをよく弄られる。芸風的にそういうキャラ付けをしているのではなく、本当に殆どいない。中学や高校の同級生たちとは全く会っていないし連絡もとらない。


そんな僕にもたまに遊ぶ高校の同級生がいる。K君とする。


K君は高校が一緒で、お互いバスケが好きなこともあり、仲良くしていた。大学も同じところに入るつもりだったが僕は受かって向こうは落ちてしまった。あの時は気まずかった。

今はジュースを自販機に詰める仕事をしていて、春夏秋冬の季節の変わり目ごとに遊ぶ予定を立てる。社会人で安定した収入がある彼は極貧な僕にご飯をご馳走してくれる。


こんな風に書くと僕の芸人人生を心の底から応援してくれているようだが、そういうわけでもない。

「いつ売れるんだよ」


「早く諦めて辞めちまえよ」


「おもしろくねえんだよ」


とか絵に描いたようなモチベーションを下げる言葉を会う度に吐いてくる。

そんな人だけれどもメロディには芸人以外の友だちはいないし、なんだかんだ高校からの付き合いなので仲は良い。

なんでこんなこと言うやつと友達なんだ?そんなに友達いないのか?

と思われるだろうが、向こうも高校の同級生で未だに付き合いがあるのは僕ぐらいのもんで、傍から見たら共依存に近い関係なのだろう。僕もキチンと彼が会社で出世できないところは見下させて貰ってる。


そんなK君と先日、恵比寿でご飯を食べてきた。


その日も会うなり


「どうせ売れないから早く辞めろよ」


とか言ってきた。これは性格が悪いとかではなく、こういうコミュニケーションの取り方をしてくる人なのだ。ZAZYさんのようなもの。


その日はK君との共通の友人にご飯をご馳走してもらう事になっていた。


その共通の友人は、K君の幼なじみ。僕はK君からの紹介で大学の時に仲良くしていた。端正な顔立ちで長身。さらに頭が良く、今は大手企業のエリートでヨーロッパの方に出張をしており、1年半ぶりに日本に帰ってきたのだ。


食べたことのないような寿司をご馳走してもらった。


もちろんその男の奢り。当たり前だ。彼のボーナスは僕の年収の倍以上。ブラックカードで払っていた。


さぞ優雅なヨーロッパ生活なのかと思いきや、そんな事はなかった。仕事はリモートワーク。コロナもあり、ほとんど外には出れないらしい。一年半、異国の地で孤独に仕事をこなしてガッツリ稼いで、1ヶ月だけ日本に戻ってきて豪勢に遊び呆ける。そしてまた孤独の待つヨーロッパに戻る。出稼ぎのようだった。ベーリング海の蟹漁の話を聞いているのかと思った。


そんな彼からしたら、お金はないが自由な僕の人生は興味深いらしい。今の日々が楽しいと言うと物凄く笑う。


「年収数千万の人でも人生楽しくなさそうな人いるのに、お前は金はないのに楽しそうだよな」


僕はお金持ちの話を聞くのが別世界の話を聞いているようで楽しいのだが、向こうも低所得者の話を聞くのは未知で楽しいのだろう。
悲しきWIN-WINがここに生まれている。


そんなこんなで2時間ほどで2人とは別れた。次は夏ごろだろうか。







芸人以外の人と遊ぶのはこの、数ヶ月に一回の2時間ほどで、それ以外は僕はほぼ芸人としかコミュニケーションを取らない。


以前に同級生たちとご飯を食べたときに「最近子どもがこんな変なことしてさ」という「我が子漫談」を交互に聞かされて、独身の自分は居づらかった。

周りの人間はどんどん進んでいて、自分が閉ざされた世界に置いてかれているということを思い知らされる。


その次の日に地下ライブの楽屋でおじさんがおじさんに

「どう?彼女できた?」

なんてことを聞いていた。


こっちの世界の方が居心地が良く感じた。


もうこの狂気の世界に9年ほど身を置いてしまった。まともな世界から目を背け、狂いながらに生きていくのだろうな。




思ったことをただバーッと書いただけですいません。
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