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カタシロ 感想

⚠️この記事はクトゥルフ神話TRPG「カタシロ」のネタバレを含みます⚠️









【キャラクターについて】


英さんです。
シナリオ通過回数こそ少ないものの、一つ一つのセッションが濃すぎて印象に残る探索者です。

今回英さんをカタシロに連れていったのは「気になるから」です。
だって英 知雅のカタシロなんて見たくなるやろがい……!!!!!

結果、やはり「ふん、おもしれー男……」
となりました。

【セッションについて】
内容は録画で分かるんですけど、どうしてそう考えたのか?を更に文章で深堀していこうと思います。
3つの思考実験、ツバサとの会話、最後の選択についてなど。

余談ですが、カタシロセッション日は21:00開始予定でしたが20:30に起きました。超速で夕飯作って食べてセッションに挑んでしまったので、マジで前半頭が起きていませんでした。

なので自分でも「あれ?今何言ってんだ?」ってことが多かったけど、後半になるにつれて英 知雅らしさが出せて良かったです。

【思考実験について】
①囚人のジレンマ
結果は医師が「黙秘」、英さんが「自白」を選びました。
医師は「相手が自分と同じ選択をするだろう」と信じ黙秘を選んだとのこと。

英さんは「1番リスクが低いから。」とのことでした。(1番得だから、では無いのが私的ポイント)
0年で出られる可能性より10年刑務所にいることを「リスクだ」と考えたようです。確率は一緒なのにね。望月医師の言うように慎重なのかもしれません。
自分が刑務所に入る可能性を見越してでしょうか。英さんのやっていること(犯罪加担)は普通に捕まってもおかしくないのでね。

「それでは友人や家族、大切な人が共犯者だった場合、君の選択は変わるだろうか」
そう問われた時、ふと彼の頭に1人の友人が浮かびました。
基本的には家族に対しても、他の知り合いでもフラットで、誰かに感情の肩入れをすることはない英さんですが、1人だけ、思い出の強い人物を思い出しました。

その人物と共犯になったら?答えは「黙秘」でした。理由は「相手は自分と同じ選択をするだろうから。それならお互い刑期が短い方を選ぶだろう」と思ったからです。
 
後で考えると、たとえ友人であったとしても相手が「黙秘」を選ぶ可能性は同一な訳で。むしろ知雅が黙秘を選択することは「自分にとって」リスクを高めることなのに、どうしてそれを選んだのでしょうか。

それは「共犯者の性格や考えを知っているアドバンテージがあるから」なのではないでしょうか。その優位性が自分に対するリスクを上回った時、彼は多少のリスクがあってもこの選択をするのだと思います。

★初対面の人だと「リスクを減らす」
既知の関係だと「増加したリスクと自分の知識や情報というアドバンテージから考える優位性を天秤にかけて、アドバンテージの方が高ければ黙秘、そうでなければ自白を選ぶ」ということです。

なので、家族であったとしても「こいつは黙秘を選ぶような人間ではない」と、今までの関係や関わりから知雅がそう思えば、答えは「自白」になります。

うん、凄くしっくりくる。
英 知雅という男は損得感情で生きているとありますが、その根底には徹底されたリスク管理があったんですね。

ん?そう考えると、結果的にやっぱり自分を中心にして物事を考えているのか。セッション中は「あ!少しでも他人に対する信頼感があったんだ!」と感動したのに……。

②テセウスの船
パーツが置き換わったとしても、「名前が同じであればそれは同じテセウスの船と認識される」と答えました。
逆に言えば、それ以外でテセウスの船と証明するものはないと考えました。

「何かテセウスの船だと証明できるパーツはあるか、または証明できる人物はいるか」と質問しましたが、それらがあれば尚「分かりやすい」という意味合いで質問をしました。

記憶を失った自分自身でさえ出来ない中、自身を証明してくれたのは「名刺」でした。(その名前が確かかどうかは別として。)
そのため「名前が大事」と考えたのでしょうか。

何にせよ、名前が一緒だとしても完全に証明出来る何かがない限り、船にしろ人間にしろ「個」としての認識は曖昧だということです。

③臓器くじ
まず初めに「制度であるか」ということが気になりました。制度であると聞いた上で「そもそもの平等性が保たれていない」と思いました。

・どうして提供する側は「健康な人間に限るのか」
・提供する側は最終的には死ぬが、例えばその周囲の人間に報酬などはあるのか。▶結果的にはないとのこと。知雅は「提供される側だけ得をしている」と思いました。
・受け取る側に拒否権はあるのか、ないのならそれも平等でない。(これはセッション終了後に感じたこと。)

くじという方法と5つの前提で公平性を保っているように見えますが、知雅は全く公平だとは考えていませんでした。

その上で提供する側/提供される側の議論をしましたが、どちらも答えは「しょうがないのでは」という結論でした。

不平等にしろ、その制度が可決された理由があるのだろうし、自分はそれに従うと言いました。

ただ、提供される側になった時に間髪入れず「受け取る」と言ったのは知雅らしいな、と思いましたね。

【ツバサについて】
ほんとーーーにいい子でした。母親のことを信じて治るのを待つ子供。
実は知雅と子供がカチ合うのは初めてでしたが、記憶を無くしているのもあって普通に優しかったで

すね。

「苦労した母のために医者になって母を支える」というツバサの言葉を聞いて「母のために夢を叶えたいのか」と知雅は聞きました。

今まで自分のためだけに生きてきた知雅にとってその言葉は新鮮だったでしょう。
ただ、無意味だなとも思いました。
それは口には出しませんでしたが、ツバサがあまりにも純粋に話すので、普通に応援はしました。

ツバサが「英さんって優しいね。それに凄く大人っぽくてしっかりしてる。ハッキリしたこととか分かりやすい事が好きなの?それなら探偵さんとか、お医者さんだったのかな」と言ってくれました。

なんとなく「医者」という言葉に親近感を感じました。

「もし私が医者だったらまた君のところに行こうか。退屈な生活を紛らわせてくれた礼、とでも言えばいいかな」
「まぁ、君が母親に治療してもらいたいと言うのなら私は手伝いだけにしようか」
「私が本当に医者だったら、の話だがね」

ここで英さんはツバサと約束をしました。心境としては本当に「お礼」という気持ちでした。ホントに医者とは思ってなかったしね。
あと「医者の息子」という肩書きにコレまた記憶はないが惹かれたのでいつの間にか優しくしてたのでしょうか。

思考実験にしろ、ツバサへの声掛けにしろ、自身のために動いた結果「優しい」と言われるのはこの男の得している部分ですね。羨ましい。

【身体を明け渡すかの選択】
英的には自分の身体に執着はありませんが(テセウスの船の話。結局存在というものは曖昧だから)、適正率100%でなければ渡したくないというのは正直なところです。

英さんが生きたいと思っているかは不明ですが、生きていくのならなるべく自分にかかるリスクは減らしたいと思う男です。

また、臓器くじと同じ考え方で、今の状況はいささかツバサにとって不平等だと思いました。
「ツバサの意志を聞く」というより、持っている情報量を同じにした上で選ぶのとそうでないのは意味合いが異なるので「情報共有をまずしろ」ということです。
平等に出来ないのなら、自分の身体を渡すことは不可能だ、と医師に伝えました。

望月医師は「あなたの身体に移植したうえで説明するつもりです。私は、その方がツバサが受け入れられると思うので。」と言いました。 

これは医者というより1人の母親のエゴだと知雅も私も強く感じました。本当にツバサの事を大事だと思っていることは伝わってきましたが、ツバサ本人がいない所で話が進められるのは心底気持ちの悪いことです。

別に提供する側になってもいいが、提供される側との立ち位置を同じにしたい。臓器くじの話を受けて知雅はそう考えました。

そして、そう伝えた上で望月医師は「やはり今は言えない、勇気がない」と知雅に言いました。

「そうか、では私も言った通り答えはNOだ。」

お互いの信念を貫いた上での選択だったので、この結果は知雅と渡しは納得のいくものでした。

ただ、望月医師は納得はしないだろうなぁとも思いました。
知雅は罪悪感などはありませんでしたが、望月医師にツバサとの約束の事を話しました。やはり少しは人を思う気持ちがあったのか。それは私も分からん。

「記憶が曖昧だった時の私が約束してしまったのでね。それは、果たさなければと思う。」
「医師だったらの話だが、ね」
「私が興味がある、というのも1つの理由だが。」

色々理由は並べましたが、どんな形でも協力をする気持ちがあるのは確かでした。


「最後に、もう一度聞かせてください。ツバサに…貴方の身体を譲っては頂けないでしょうか。」

「先程と答えは同じ、NOだ。だが、貴女とツバサに協力はしよう。」

「………分かりました。」


そうして暗転する視界。全ての記憶が戻った日常。でも身体の一部分は以前との自分とは違うもので。

果たして今の身体は作り物か本物か。もし移植されていたとしても知雅的にはどちらでも良いことです。
それより今はツバサの研究の方が気になります。医師ではありませんでしたが、物事の本質を明らかにしたい、と思うのはこの男の本質です。

「利益に繋がれば良いな」と思いながら自分の欲に従って生きるのが、英 知雅という人間だと再確認出来ました。

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なーーーんかめちゃくちゃ考えました。私という人間が考えてしまうので、沢山セッションで時間を使って申し訳なかったです。でもすごく楽しかった。

カタシロ〜〜たのし〜〜
感想でも何か頭使った気がするので休みます。

全探索者カタシロ行きたい。

KPななほしさん、ほんとーーーにすごい。相手の思考整理ってめちゃくちゃ難しいのに…拗れたこと言ってる知雅の言葉もまとめてくれてありがてぇ…

また…遊んでください…!!
永遠に噛みしめるシナリオです!!私も回してみたいです!!ありがとうございました!!

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