#9 映画「東京リベンジャーズ」感想

元ヤンのニートが、死んでしまった元彼女を救うために、ヤンキー時代にタイムリープして、現実を変えていく話である。ジャンルは、「SF」「ヒューマンドラマ」。要素に「不良」と「タイムリープ」。漫画原作であり、漫画を読破した上で鑑賞した。

【脚本】高橋泉氏が担当。漫画の巻数で言うと、4巻の第32話までを映画では描いている。正直なところ、可もなく不可もない。良かった点は、冒頭に現代マイキーを描いたところ。闇堕ちしたマイキーと稀咲が人を轢き殺すシーンが冒頭にあり、原作読者はびっくりしたのではないだろうか。私はした。これは映画オリジナルだ。ダメニートのタケミチが登場する前に、このシーンを冒頭に持ってきたことで、緊張感を生み出し、メリハリが出た。2時間で完結する映画というメディアの特性が活かされているのではないだろうか。

【役者】これが抜群に良かった。模範回答だと思う。贅沢すぎるくらいイケメン俳優を起用したことで、本作は不良ものでありながら女性観客が多いらしい。実際、私が見た劇場でも客の7割は女性だった。

花垣武道/タケミチ:北村匠海

龍宮寺堅/ドラケン:山田裕貴
橘直人/ナオト:杉野遥亮
橘日向/ヒナタ:今田美桜
清水将貴/キヨマサ:鈴木伸之
三ツ谷隆/ミツヤ:眞栄田郷敦
半間修二/ハンマ:清水尋也
千堂敦/アッくん:磯村勇斗
稀咲鉄太/キサキ:間宮祥太朗
佐野万次郎/マイキー:吉沢亮

【演出】王道の喧嘩がこの作品の醍醐味である。が、そこも良かったが、タイムリープの瞬間の演出も良かった。タイムリープする方法が握手なので、動きに派手さがない。それを克服するためか、がっつりVFXを使用し超能力感を演出していた。些細な部分かもしれないが評価できる。

【音楽】サントラはあまり印象がなかった。ただ、内容に見入ってしまい、音に対する注意が散漫になっていた気もする。SUPER BEAVERの「名前を呼ぶよ」はカッコいい曲だった。歌詞が恥ずかしいほど直球なのだが、そのストレートさが本作の雰囲気とあっている。

【総評】監督は英勉(はなぶさつとむ)。『賭ケグルイ』や『ぐらんぶる』なども手がけていて、監督作は原作の実写化が多い。
おもしろかった。実写化は賛否分かれるが、これは賛の声が多いだろう。王道の主人公成長物語が申し分なく描かれていた。

【満足度】
85点

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