#3 映画「きみと、波にのれたら」感想

「最愛の彼氏を海難事故で失った彼女が、彼氏というトラウマから決別する」話である。ジャンルは、「ラブロマンス」と「ファンタジー」のミックスと言える。割と王道的な展開だが、鑑賞中決して飽きることはなく、切なさも味わい、予想以上に楽しめた。

【良かった点】                           「愛する人を失う」というショッキングな出来事に対して、丁寧に描写されている点。好き嫌いが分かれるだろうが、水中に故人である彼氏を召喚するという描写は、私は好きだ。特に、召喚の代償がないというのが、印象的である。例えば、実は回数に制限があり召喚できなくなる、というのはありがちな設定(枷)である。そうではなかったところが、良いと思った。

【悪かった点】                            「ヒロインが昔彼氏を助けたことがある」というのが、どんでん返し的な要素だと思うのが、あまり効いていないと思った。かなり物語の上で重要な情報だと思うのだが。むしろ、無理やりねじ込みました感すらある。なので、二人の幼少期の深掘りのシーンが前半にあれば良かったのではないかと思った。

【満足度】80点

【雑記】手塚治虫の「白い幻影」という作品を思い出した。これも、彼氏を失ったヒロインの目に彼氏の幻影がまとわりつくという物語である。

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