問題の作り方(書き途中)

ウミガメのスープを作る私なりの方法を、文章として書き留めておきます。この文章はウミガメのスープを全く作ったことがない、作ろうとしたが何をすれば良いか分からないという方向けに書いてます。経験者の方が見ても得るものは少ないかもしれません。

なお一部私の問題に関するネタバレが含まれますので注意してください。

0.良いウミガメのスープとは?

 作り方に入る前に、そもそも良いウミガメのスープとは何なのかということについて確認しておきましょう。

極論ですが、私は「謎」と「納得感」さえあれば、後はなんでも良いと思っています。

(未完成の章)

1.事実・常識に注目して「納得感」を担保する

ウミガメのスープを作るにはまずネタがなくてはなりません。しかしネタ探しの方法について議論されることはあまりなく、アンテナを張るのが良いみたいな曖昧な方法ばかりが提示されてきました。

アンテナを張ることは非常に大切なのですが、そもそも「ネタ」とは何なのかを分かっていないとアンテナを張ったところで何も引っかかりません。

「ネタ」とは私は「原因と結果」だと思います。ウミガメのスープは結果に対する原因を求める遊びです。ですから、どんな解説も必ず原因と結果で記述出来るはずです。

例えば本家ウミガメのスープであれば、「子供の人肉を食べたことに気づいたから、自殺した。」という具合です。

そんなの分かってるよと言われるかもしれませんが、ネタを原因と結果だと思えば、実はネタというものは意外とそこら中に転がっているということに気づいていただけると思います。

例えば「場所を確保するために、空いている席に荷物を置いた。」というのも原因と結果ですね。これだけ見ると至極当たり前のことに見えますが、これは「探し物は何ですか」という問題になりました。(https://de-bono.net/mondai/show/22)

私はどうやってこの問題を作ったのでしょうか。発想の始まりは「場所取りが答えになれば納得の出来る問題になるだろうな」ということでした。席を取るために場所を置いた。この因果関係が納得できない方はほぼいない。ではこれを解説にすれば、納得感のある問題が出来るだろう。そういう発想でスタートしているのです。

ここで私が一番言いたい重要なことは、ネタの段階ではそれが謎であるようには見えないということです。というより、謎であっては困るのです。何故なら、解説は論理的で納得の出来るものであればあるほど(基本的には)面白いからです。つまり、無味乾燥な事実であるほど納得感の高い面白い問題になり得るポテンシャルを秘めているということです。

私はいつもこういう「事実」を日常生活のなかで集めてストックしています。残念ながら問題に出来ない事実もありますが、いくつもいくつも集めているとそのうちの一つが面白い問題になることがあるのです。それが私のネタ探しの方法です。つまらないけど納得できる事実を見つけ、謎は後から演出するのです。

(私が集めている・あるいは問題になった事実を一部例示します。

揚げ物をしている母の代わりに荷物を受け取る → 唐揚げと違法熟女

本を読む途中なのでしおりを挟む → 未出題

客引きを断るために友達を未成年と言う→三つで一つの理由

彼氏がいると嘘をついてアプローチを断る→羨望の虚像 など)

もちろん基本的にはこれというだけで、ネタ探しの方法はこれだけではありません。ただこの方法を覚えておくと、グッとネタの見つかる機会が増えます。とにかく日常で見聞きしたことを「原因」と「結果」に分解して注目することです。

ただあまり日常的な話だと謎を演出するのも難しくなるので、「聞けば納得できるけど、普段はあまり見ることのない原因と結果」を発見した時が問題は作りやすいですね。例えば新天地で母を想うとかです。子役が母親の死体を思い浮かべて泣くという話は聞けば納得できますが、その知識を普段使うことはないので、そのまま書けば問題になってくれます。

2.原因と結果の表現を変えることで「謎」を作る

納得感のある事実を発見できたとしましょう。ここからどうやって謎を演出すれば良いのでしょうか?

「謎」とは、普通ではないことです。普通ではないことを演出するためには、先ほど言った「原因と結果」を上手く繋がらないようにする必要があります。

探し物は何ですかを例にとって見ていきましょう。まずは原因と結果を再掲します。

「空いている席を確保するために、自分の荷物を空席に置いた。」

ここから問題文を作っていきます。原因と結果を繋がらなくするために隠したい情報は、やはり空いている席ですね。そこでこの言葉を抜いてみます。

「確保するために、自分の荷物を置いた。」

これでも正直あまり隠せてないですね。もう空席に繋がりそうな確保したという言葉を抜いてしまいましょう。

「自分の荷物を置いて、安堵した。」

結果がないと謎にならないので、空席を確保できて良かったという感情を入れてみました。

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ここからひたすら問題文をこねくり回す文章が続きます。残念ながらこの作業にパターンはなく、とにかく考えてやってみるしかありません。良い謎が生まれるように、ただ只管に表現を変えていきます。問題作りとはこういう地味な作業との戦いです。

この工程で使える手法をいくつか書いておきます。

A. 視点を変えてみる。

登場人物の様々な視点から物事を記述してみましょう。「探し物」であれば、荷物を置く側、荷物を見る側、店員側、などなど(最終的に荷物を見る側になりました)。

B.トラブルを起こしてみる。

特につまらなすぎて上手く謎にならない際に有効です。「ハンドドライヤー」で何か問題を作れないかと考えていたことがあるのですが、「手を出したら風が出た」みたいな面白くない問題しか作れず困ってました。

そこでハンドドライヤーを壊してみたところ、風を感じる人がいなかったから紙ゴミが増えた。という風にある程度謎めいた問題文を作ることができました。

謎とは普通ではないことなので、何らかのハプニング・トラブルとは相性が良いですね。

C.物当てを入れる

好みの分かれる手法ですが、私は謎が作れるなら全然ありだと思ってます。「探し物は何ですか」では、席やテーブルの存在を明示してしまうと簡単すぎると予想されたので、席を「あるもの」と記述してぼかしました。

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話を元に戻しましょう。そもそも荷物を置いて安堵したと言っても、これは少し大げさな感じがしますね。席を確保できたら嬉しいでしょうが、安堵したと表現するほどでしょうか。

第一、今の問題文は謎として面白くありません。






3.謎を面白くする方法は?

謎をおもしろくするためには、

・問題文の記述から「驚く、泣く、笑う、怒る」などの感情表現を抜くこと。

・出来る限り具体的に記述すること。

この二つを心がけると良いでしょう。