【問題解決プロフェッショナル「思考と技術」】メカニズムを理解せよ!
「イシューを見極め、仮説を立てろ」
『イシューからはじめよ』の著者・安宅さんの言葉だ。
問題解決の手法を体系的に説明した『問題解決プロフェッショナル 思考と技術』を読むと、イシューを見極めるには、メカニズムを理解することが何よりも大事だと感じさせられた。
(1) 思考
問題解決の大前提にある思考は、
①ゼロベース思考
②仮説思考
中でも、仮説思考が重要だ。
「限られた時間、限られた情報でも、必ずその時点で結論を持つこと」
これこそが仮説思考の始まりだ。
そして出した結論にSO WHAT?を繰り返し、具体的アクションに結びつく方向性を考える。
限定的な情報→結論(仮説)→SO WHAT?→具体的なアクション!!!
結論(仮説)を考えようとすると、その問題の背景にはどういうメカニズムが働いているのか、どういう枠組みで問題を考えるのか、なぜそういう枠組みで捉えたのかという理由を自然に考えるようになる。
頭の中でどういうメカニズムを構築して、結論(仮説)を出したのか?
背後のメカニズムさえ理解していれば、仮説が間違っていても、データ検証だけをすれば済む。
これは『イシューからはじめよ』の仮説ドリブンと同じ考えだ!
(2) 技術
(1)思考を問題解決の基本姿勢だとすると、
(2)技術は問題解決のための基本スキルだ。
問題解決の基本スキルは、
①MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)
②ロジックツリー
中でも、ロジックツリーが重要だ。
人は問題に直面して解決策を考えようとするとき、まずその原因を追求する。ロジックツリーは、原因追求のプロセスにおいて、的を外さないようにするための一つの手法である。(『イシューからはじめよ』でいうところのイシュー度の高い問題を探す手段!!)
ロジックツリーの作成においては、表面化している問題に対して、WHY SO?を繰り返し、広がりと深さを押さえながら(MECE)で原因を追求していく。
次に、解決すべき課題(イシュー度の高い問題)が明らかになれば、今後はSO HOW?で解決策を具体化していく。
まずは仮説を得る(メカニズム理解→仮説獲得)。
そのメカニズムをMECEにするため、
WHY SO?とSO HOW?を繰り返していく。
(3)プロセス
これまでのゼロベース思考・仮説思考・MECE・ロジックツリーを駆使した効率的な問題解決の実践的プロセスを、ソリューションシステムという。
具体的には、
①課題を設定し、
②解決策の仮説を出し、
③解決策の検証・評価を行う。
①課題を設定する。
主要課題と、それを細分化した個別課題の設定が求められる。
(例)主要課題:
痩せることができるか?
(例)個別課題:
・カロリー摂取を減らせるか?
・体内の不要蓄積物を減らせるか?
・カロリー消費を増やせるか?
②解決策の仮説を出す。
個別課題に対する個別解決策(自分でコントロールできるもの)を考える。
個別解決策がある場合は、その方法(HOW)を、
ない場合は、その理由(WHY)を明らかにする。
個別課題→個別解決策:
・カロリー摂取を減らせるか?→YES(低カロリー食に変える)
・体内の不要蓄積物を減らせるか?→NO(解決策なし)
・カロリー消費を増やせるか?→YES(運動を増やす)
そして、個別解決策を組み合わせて、主要課題に対する総合解決策を作る。
③解決策の検証・評価を行う。
ここでは、個別解決策のYESが成立するのかを考え、その上で、総合解決策を経営資源や企業方針の観点から評価する。
総合解決策の評価については、
ハード面(効果・投資量・リスク・スピード等)と、
ソフト面(理念との整合性・トップのコミットメント等)を勘案する。