【ccTLD SEO】note.muからnote.comに変えるとSEO改善に繋がるのか?Google側の公式見解も踏まえて考えてみた
「noteのコンテンツをちゃんと届けるときに、今の「.mu」はSEO的に不利だという話を専門家に言われました。」
今日は上記記事についてです。
SEO一本で上場したと言われる某最年少上場ベンチャー出身かつ、現在ccTLDのサイトでSEOを頑張っていてそれなりの成果を出している自分としては見過ごせないトピックスでした。
(注: note大好きで現にこのblogもnoteなので、アンチではないです!!)
間違いないとまで断言されているものの…
シバタ: 先程、攻めと守りという話がありました。攻めの方は「サービスの帝王学」を持つなら、「.com」ドメインは必須、という話でしたが、守りの方も教えてください。
深津: 守りはシンプルにSEOの話です。
シバタ: SEOは守りになるんですね。なるほど。
深津: noteのコンテンツをちゃんと届けるときに、今の「.mu」はSEO的に不利だという話を専門家に言われました。
シバタ: それは間違いないと思います。
深津: そこで「.jp」あるいは「.com」あるいは、それが不可能な場合は、「ピースオブケイク(pieceofcake).com」に変えてでも「.com」か「.jp」を手に入れる必要があるという結論に至りました。最初に話をしたのは、加藤さんに「.jpほしいんで.jpドメインの保有者を説得しましょうよ」というところから始まったんですよね。
間違いない...と言うものの、現在のSEO業界においてトップレベルドメインのSERP影響を主張する派閥は少数派だと思います。
Google側の公式見解
Q: 新しい gTLD は検索に影響しますか?Google は、新しい TLD が有利になるようアルゴリズムを変更しているのですか?検索において、新しい TLD はどの程度重視されるのですか?
A: 基本的に、新しい gTLD も他の gTLD(.com、.org など)と同じように処理されます。検索において、特定の TLD のキーワードが有利に働くことも不利に働くこともありません。
Q: 従来の ccTLD(国別コード トップレベル ドメイン)はどうですか?Google では、.uk、.jp などの ccTLD を、その国で検索している人のローカル ドメインとして重視しますか?
A: Google の既定の処理では、ほとんどの ccTLD(例外あり)をウェブサイトの地域ターゲティングに使用しています。ccTLD を見れば、そのウェブサイトが該当の国に関係している可能性が高いと判断できます。詳しくは、ヘルプ記事「多地域、多言語のサイト」をご覧ください。
まずドメインの「gTLD」と「ccTLD」の違いについて説明します。
gTLD(ジェネリックトップレベルドメイン) ... .com .net .org .info 等、一般・汎用用途で使われる、特定の国を明示しないトップレベルドメイン。
ccTLD(国別トップレベルドメイン) ... .jp .us .de .uk .kr 等、特定の国を明示するトップレベルドメイン。
「note.com」はgTLD、「note.mu」はccTLDです。
他にも「.みんな」等のIDNTLD(国際化TLD)や、インフラ用の特殊なTLDもありますが、多くのサイトはgTLDかccTLDで作られています。
その上で、Googleの見解としては「gTLDならどれでも同じ扱い」「ccTLDなら地域ターゲティングには影響する」と言っているわけです。
「地域ターゲティング」はGoogle Search Consoleから手動指定が可能
Googleの見解で「地域ターゲティングには影響する」すると記載がありましたが、これはSearch Consoleから手動指定が可能です。ただし注意点があります。Googleは、gTLDは全部、ccTLDは一部のみで地域ターゲティング手動指定を認めています(参考)。
ジェネリック トップレベル ドメイン(gTLD): トップレベル ドメインが ICANN で国コード トップレベル ドメイン(ccTLD)として登録されている場合を除き、Google は IANA DNS ルートゾーンで名前が解決する TLD を gTLD として扱います。例を次に示します。
.com
.org
.edu
.gov
...他多数
ジェネリック地域トップレベル ドメイン: 以下のドメインは地域に関連付けられていますが、通常はジェネリック トップレベル ドメインとして、つまり .com や .org と同様に扱われます。
.eu
.asia
ジェネリック国別コード トップレベル ドメイン(ccTLD): Google は、.tv、.me など一部の ccTLD を gTLD として扱います。こうしたドメインは、ユーザーやウェブマスターから、特定の国をターゲットとするものというよりもジェネリックなものとみなされることが多いためです。こうした ccTLD の一覧を示します(この一覧は変更される可能性があります)。
.ad
.as
.bz
.cc
.cd
.co
.dj
.fm
.io
.la
.me
.ms
.nu
.sc
.sr
.su
.tv
.tk
.ws
.muは、一部から漏れており、対象外です。
これを理由に.comに変更するべきか?そんなことは(多分)無い - 地域ターゲティングが無理でもhreflang属性を活用すればOK
Googleが特定のサイトを特定の国や言語に紐付けるロジックは、Search Console上での指定だけではありません。HTML/Sitemap上のhreflang属性でも指定可能です。
▼ HTML上でhreflangを指定する
<link rel="alternate" hreflang="ja" href="https://www.example.com/foobar.html">
▼ Sitemap上でhreflangを指定する
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9"
xmlns:xhtml="http://www.w3.org/1999/xhtml">
<url>
<loc>http://www.example.com/foobar.html</loc>
<xhtml:link
rel="alternate"
hreflang="ja"
href="https://www.example.com/foobar.html"/>
</url>
</urlset>
ただ、そもそも「日本語」は今では日本でしか使われない言語なので、日本語のサイトである時点で日本に紐付いており、地域ターゲティングで「日本」を選んだ際と同様の状態になっているとは思われますが。
結論
少々古いですが(2013年)、GoogleのMatt Cutts氏は「ccTLDはその国を対象とするので使うべきでない」と表現しています。
原理原則論ではそうかもしれません。これは、真にグローバルでプレーンなccTLDサイト -Search Consoleでの地域ターゲティングもなく、hreflang属性もなく、英語やフランス語のような世界言語で書かれたサイト- を対象とした発言と捉えるべきです。
このようなトピックスでは常に「Googleにとってその仕様が利益に繋がるだろうか?」と考えてみるべきです。
明らかに日本人を対象とした日本語のサイトを、ccLTDが.mu(モーリシャス)であるからといって順位を下げることがGoogleやGoogleユーザーの利益に繋がるでしょうか?答えはNOだと思います。
ただし... 「深津さんやnote関係者の方々が、noteのSEO上の最大の課題は.muドメインである事と認識している」のであれば、その議論の余地を無くすために.comへ変更するのは大いにありだと思います。SEO施策というより、会議の生産性を向上させる施策として、です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?