【恐怖】宗教勧誘ラーメン店 (前編)

 お久しぶりです。メジロです。

 3月に入ってから北海道でも暖かさを感じられるようになった。しかし朝夕は寒く、暖かさを感じるのは、お天道様が顔を覗かしている日中のみである。昼間の東京は2桁気温と聞いているがこちらに来てからは実感がない。まるで同じ国なのか。ということはもうそろそろ東京は桃の花が咲く頃だろう。

 日中の暖かい時間に狙いを定め、若干の寒さを感じながら、用があるため列車に乗り隣町へ出かけた。用事はすぐに終わり、あと帰路につくだけだった。しかし、昼飯を抜いた小欄は唐突な空腹に襲われた。昼は丼物を食べたいと思っていたが、いざ探そうとすると見つからないものである。

 最初に駅から来た道には飲食店がなかったので、帰りは少し回って違うところを通ることにした。

 ふと、歩きながら

「最近ラーメン食ってねぇな」


 と思った。ラーメン屋を探すことにした。東京にいた頃はそこら中に日高屋や福しんといったチェーン店があり、気軽に立ち寄り中華めんとお調子一杯の酒を嗜むことが容易であった。

 しかし、北海道にはそういった中華チェーン店はほぼない。

札幌や旭川と名の知れた都市ならバーミヤンなどといったチェーン店が所々にあるが、街外れに関しては個人経営のラーメン屋に行くしかない。

 小欄は先程も述べた日高屋や福しんといったチェーン店ばっかり訪れていたため、いわゆる「個人経営」のお店へ行くのが勇気が必要である。

 話しは戻る。ラーメン屋を探すためにGoogleマップを見るも駅までないことがわかった。

「駅まで我慢するか」

 そんなことを思いながら、解けかけているシャーベット状の雪を踏みながら足を動かした。

 幹線道路を進み線路沿いに出れば駅である。比較的除雪の進んでいる幹線道路の歩道を歩いているとラーメン屋を発見した。周りを見た感じ、飲食店はない。まさに「ポツンと一軒」だった。

 躊躇いもなく入店した。外見はとても小さく見えたが奥にめちゃくちゃ広く、厨房とカウンター席が奥まで続いていた。

(後編に続く)

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