子供の頃の夢
最近ひとつ叶えた。
フライパンいっぱいのハンバーグ。
合い挽き400グラムに、ツナギのお米茶碗に半膳。
重さはもはや暴力。15分焼き続けた。
火の通りなんて分かりゃしない。
踊った。
焼けるまでバジリスクタイムを踊り続けた。マンモスの肉を目の前に乱舞してたご先祖さまのように。DNAに刻まれてる。肉を見ると人間は踊るんだ。
多分もういいだろう。 フライパンを火からおろしケチャップを開ける。
かましてやった。
こんな機会二度とない。なんか面白いことケチャップで書こうと思った。1人大喜利だ。
『どでかいハンバーグ!ケチャップで何と書く?』
微塵も面白くない。
しかし、私は自信に満ち溢れていた。たしかに、この回答がホワイトボードに書かれていたら微塵も面白くない。
だが違う!これは大喜利ではない。REALなのだ。回答の下には400g+αのハンバーグが本当に寝そべっているのだ!
クソつまらぬ回答をも覆す。それがハンバーグの力。
美味しかった。とにかく美味しいの一言だった。
普段飲みやしないビールをかっくらいながら、夢中で食べ尽くした。
子供たちよ。
夢は叶う。
大人はなんでも出来る。
自分のすることに責任を持てさえすれば。
ベロベロに酔っ払って死んだように寝た翌日、シンクに残されたベドベドの調理器具たちを胃をさすりながら見つめ、そう思った。
興奮を忘れぬよう。名称不明ここに記す。