〘記録3〙障害者就労施設元職員ら 給付金水増し詐取疑い 計8000万円か(毎日新聞)

毎日新聞 2023/10/25 19:02

障害者就労支援施設の利用実績を偽って給付金を水増し請求し、約250万円をだまし取ったとして、兵庫県警は25日、神戸市長田区の就労継続支援B型事業所「テレサ」(10月に廃止)の元職員、保科勝久容疑者(65)=同市長田区五番町4=ら2人を詐欺の疑いで逮捕した。県警は2人が水増し請求を繰り返し、約2年間で約8000万円の給付金を不正に受給していた可能性があるとみて捜査している。

 他に逮捕されたのは同事業所の元職員で、経理担当だった高瀬敏史容疑者(59)=大阪府池田市姫室町。県警は2人の認否を明らかにしていない。

逮捕容疑は2023年2~7月、テレサの利用実態のない男女3人が事業所を利用したとする虚偽内容を申請し、神戸市から6回にわたって約250万円の給付金をだまし取ったとしている。市が10月、被害届を提出していた。

 就労継続支援B型事業所は、06年施行の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)で、一般企業で働くことが困難な障害者の就労支援の一環として定められた。雇用契約は結ばず、仕事や技能訓練の機会を提供して工賃(賃金)を支払う仕組み。事業所には利用者1人あたり1日平均約7000円の給付金が自治体から支払われる。

 県警組織犯罪対策課によると、保科容疑者は通所者の加入などを進める責任者だった。数年前から「テレサに登録すれば1万5000円を渡す」と知り合いなどに持ちかけており、21年8月~23年6月に受け取った約1億4000万円の給付金のうち、半分以上の約8000万円が不正受給に当たる可能性があるという。【澤俊太郎】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?