見出し画像

Apple II ▷ トラックパッド

▷ はじめに
今回からはトラックパッドをApple IIに接続するという工作です.
これは以前の記事「Apple II ▷ ジョイスティック」で書いた「メインボード上にあるゲームI/Oに接続するジョイスティックを工作すること」について試行錯誤する中で試作したものです.
復習しておくと,Apple IIのメインボードにあるゲームI/Oは,0 〜150KΩの可変抵抗値を読みとるラインを4つ備えたとても奥深い入出力ポートであり,この手軽にアクセスできるゲームI/Oを活用してシンプルなインタフェースを工作するという目標を立てました.
いっぽうでこの頃はArduinoやRaspberry Piなどの優れたワンボードがあり,これに接続できるデバイス類が多数あることから,両者をリンクしない手はありません.そこで取り扱いやすいArduinoとデジタルポテンショメータ組みわせたインタフェースを工作したのです.

▷ トラックパッド
今回の記事で使用したトラックパッドは,Adafruit社が販売する"Capacitive Trackpad/Touchpad"で,インタフェースはPS/2です.もともとはapple IIの工作とはことなる目的で使用していたものですが,工夫すればそのまま使えることに気づいたのです.

▷ ふたたびデジタルポテンショメータ
ジョイスティックの記事でもちいたデジタルポテンショメータはMicrochip社のMCP41xxxシリーズです.これを採用する前にRENESAS社のX9Cxxxシリーズを試していました.予備実験でもあるので,まず安価に購入できるという理由のみで購入しました.データシートは以下公開されています.https://www.renesas.com/jp/ja/document/dst/x9c102-x9c103-x9c104-x9c503-datasheet

ブロックダイアグラムを同データシートより図1に引用します.

図1.X9Cxxxブロックダイアグラム(データシートより引用)

図からわかるようにX9Cxxxは3線で,Up/Downラインにより抵抗値を1ステップずつ上下させて目的の抵抗値に設定する仕様となっています.
Apple IIのゲームI/Oは150KΩの可変抵抗値を読み取るので,X9C503(50kΩ)と X9C104(100kΩ)を直列にして,ふたつ同時に制御することにしました.
予備実験で構成した回路を写真1に示します.

写真1.トラックパッドの実験

▷ 次なる実験へ
この実験は成功しました.動作チェックの様子は以下にあります.
https://www.youtube.com/shorts/h1eg1wiTwsQ

・・・実用上は問題ないと思いました.
ところがX9Cxxxシリーズのタップ数は100です.
タップ数をもっと増やすことができれば,かの"Graphics Tablet"ほどはなくも"Koala Pad"のようなものが工作できるかも,いやいやタッチディスプレイもできるぞ,という思いが湧きおこってきて,次なる実験へと関心は移っていきました.なので今回の記事の回路の詳細はあっさりと割愛してしまいます(ごめんなさい).


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?