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Apple IIビデオ出力回路の再構築(8)

メインボードの工作
最初に工作するのはメインボードです.Apple II plus(Rev4)のメインボードは右下に16ピンと14 ピンのICソケットを配置できる空きスペースがあります.このスペースはユニバーサル基板でスルーホールになっています.ぼくのメインボードではこのスルーホールはハンダで埋まっていたので,まずこれを除去する必要がありました.はんだこてでハンダを溶かしてシリンダ式吸引器で除去しました.このシリンダ式吸引器,40年くらい前のものですが,いまだに現役.吸引ノズルもまだ入手できるところがありがたい.
この14 ピンのスペースをA14とします.ここにICソケットを取り付けて74LS02を新たに追加できるようにします.ICソケットをはんだ付けしたら,マザーボード上のVccとGNDラインからICソケットの対応する足元に写真1のように配線します.なお16ピンのICソケットもついでに取り付けました.これでメインボードの工作は終わりです.

写真1.メインボードの工作|ICソケットの取り付け

A2(74LS00)の組み立て
1.図1 (左上)のようにICソケットの8番ピンと11番ピンを切断します。
2.ピンヘッダをユニバーサル基板にはんだ付けします。ピンヘッダの下側をスルーホールに差し込んで,少量のハンダで固定します.スルーホールにハンダを流し込む程度で,盛り上がらないように注意します.
この部品(ベース)の工作はこの後も共通です.
3.図1 (右上)のようにピンヘッダの8番ピンから11番ピンにジャンパー線を,11番ピンから14番ピンに1KΩの抵抗をはんだ付けしします.このとき抵抗は平行なピンヘッダの間に位置するように取り付けてください.実体配線図と,出来上がりの写真を図1(下)に示しますので工作の参考にしてください.

図1.A2(74LS00)の組み立て

4.ベースのユニバーサル基板上のピンヘッダにICソケットをはんだ付けします.この作業は工作として難関となるかもしれません.ベースとICソケットのあいだの空間は狭いので,上下の部品のプラスチックを溶かしてしまわないように慎重に作業を行います.ですからハンダゴテは先の細いものが良いでしょう.かくいうぼく自身も最初苦労しました.記事(7)の写真2の再構築回路は試作品(つまり練習)で,プラスチック部分を一部溶かしてしまいました.
工作の要領はベースのピンヘッダにICソケットの重ね,マスキングテープなどで固定してから対角にあるピン同士を最初にはんだ付けして固定します.そのあと順にピン同士をはんだ付けしていきます.自分は手持ちの丸ピンICソケットを用いていますが,平ピンだと足を多少曲げることができるので,作業しやすいと思います.
5.4が完成したら念のためテスターで回路を確認します.X印で示した非接続の部分はもちろんですが,隣り合わせのピン同士がショートしていないかを確認します.
6.問題がなければ74LS00をICソケットにセットします。こうして工作した3階建ての部品が基本構造になります。完成イメージを図2に示します.

図2.完成イメージA2(74LS00)

A2(74LS00)の組み立てが再構築回路の工作の中でもっとも簡単なものですが,基本的な作業をすべて含んでいます.練習として最適な工作となるので,まずはA2(74LS00)から取り組まれることをお勧めします.

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