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Apple IIビデオ出力回路の再構築(7)

ビデオ出力回路|実体配線図
前回はRev4とRFIのそれぞれの回路図を見ながら再構築の方法について検討しました.図1はそれらをまとめた回路図です.この図だけではどのような回路部品ができあがるのかを想像するのは難しいでしょうから,完成した回路部品のひとつを写真1でおみせします.回路部品は「3階建て」で構成されているのです.
上層にあるのはメインボード上のICソケットに実装されていたIC,その下の中層にはこれを実装するICソケット,さらにその下にはメインボード上のICソケットに取り付けるためにユニバーサル基板とピンヘッダで構成したベースがあります.回路を変更するための配線は中層のICソケットとベースのあいだで工作しています.
これを図1と対応させると点線の枠の中にあるのがベース,その隣にあるのは中層のICソケットに相当します.実線は配線の仕方,X印はメインボード上のICソケットと再実装するICとが非接続であることを表しています.といってもまだ想像しがたいかもしれませんね.次回以降,この3階建て回路部品のつくり方をひとつずつていねいに説明するように努力します.

図1.実体配線図
写真1.再構築回路は3階建て

ビデオ出力回路を再構築する際に対象となるメインボード上のICを写真2で赤枠で囲んで示しました.ところで図1にあるA14 は新たに新設するICで,ほんらいRev4には存在しないものです.A14はグリッド座標でみればメインボードの右下に位置します.この右下のエリアは,実はRev4では16ピンと14 ピンのICソケットを配置することができる空きスペースとなっています.片隅にある控えめなスペースですが,ちょっとした工作や実験のために設けられたのでしょう.とてもありがたいウォズの配慮でしょうか.ぼくのビデオ回路再構築では,このうち14ピンのスペースをA14として利用します.

写真2.赤枠に囲まれた部品が再構築対象のIC

必要な部品をまとめておきます(写真3は部品一覧).
・TTL IC 74LS02 x 1
・抵抗 1 KΩ 1/4W x 1
・IC ソケット 14pin x 7(再構築回路用に6個,A14に追加用に1個※)
・ユニバーサル基板 8 x 4 holes x 6
・ピンヘッダ 7pin (2.54mm, 0.46mm square pins) x 12
・テストクリップ x 2
・ワイヤ類
上記のうちユニバーサル基板は秋月電子で購入したものです. 2022年10月現在,ネットショップで確認すると16ホールユニバーサル基板(2.54mm)が販売されていますが,分割してこのサイズを切り出すタイプを実店舗で購入できました.

写真3.部品一覧

余談
図1は回路図というよりも実体配線図ですね.これを描いていて思い出すのは,小中学生のころに読んでいた「初歩のラジオ」や「ラジオの製作」の記事のことです.いずれも月刊誌でしたが,初心者向け製作記事として部品の配置,具体的な配線の仕方がイラストとしてまとめられていました.自分でつくることがなくてもあれこれ想像するのは楽しい記事でした.

訂正(2022年10月22日)
ICソケットの数について,「A14に追加用に1個」を追記.
※記事(8)ではICソケット16pinをついでに設置しているが,その場合はこれも準備してください.


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