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Apple IIビデオ出力回路の再構築(4)
まずは実験!
さて前回はRFIとRev4では水平同期信号のパルス幅に違いがあり,最近のデジタルディスプレイでは信号をキャッチできない可能性があるという仮説をたてました。そこで,Rev4のビデオ出力回路をRFIのものに置き換えることを思いつきました.詳細は後で書きますが,メインボード上のICについてA14(74LS02)を新たに追加し,A2(74LS00),B12(74LS11),B13,B14(74LS02),C13(74LS51)を配線して,ビデオ出力回路を再構築することを試みることにしました.ここでA14,A2などと書きましたが,これはメインボード上にグリッドが切られており,A列2行目に配置されるICは74LS00といった具合に定義された座標です.この座標はApple IIのトラブル解決のつよい味方である書籍"Apple II Plus/IIe Troubleshooting & Repair Guide" (Robert C. Brenner, 1984)を読み解く際にたいへん便利なものとなっています.
メインボードをいきなり工作するのは避け,まずはブレッドボード上に回路を再現する実験をすることにしました。ボード上のICを取り外してブレッドボードに配置し,追加のICをジャンクボックスから探し出してきて配置します(高校生のころからの蓄積も役にたつのです).RFIボードのビデオ回路図をよく見ながら配線します.
実験はほぼ成功しました。「ほぼ」というのは,テキストはただしく画面に表示されたものの,グラフィックの色が期待どおりに表示されなかったのです。この時,大切なことをひとつ見落としていたのですが,まずはスクリーンの上部に馴染みのある” Apple ][ “とプロンプトのカーソルが点滅するのを目にした際には「おしっ!」と腕に力がこもりました.
しばらくして落ち着いてあらためて色相ダイアグラムを眺め直すと,おかしな色の表示について自分の間違いに気づきました.位相が180度ずれていたのです。となると原因に察しがつきます.COLOR REFの位相を反転させていたのです.あまりに迂闊!
配線を修正したら,すべてがうまくいきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1665980850999-l43H7hnENO.jpg?width=1200)
RFIボードの回路を移植しただけなのでうまくいって当然といえばその通りなのですが,こうした工作がうまくいった時のよろこびは今も昔もかわりません.
次回からはこの工作をかっこよく仕上げていきます.
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