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Apple IIビデオ出力回路の再構築(3)

水平同期信号に注目
Rev.4とRFIの回路の違いが問題解決のカギになるのでは?という仮説を立てました.そこでこれらふたつのボードの回路にどのような違いがあるのかを調べてみました.”THE APPLE II CIRCUIT DESCRIPTION”(W. Gayler, 1983)によるとRev.4とRFIではビデオ出力回路に変更があって,水平同期信号に注目すると,Rev.4では7.8μsecであるのが,RFIでは3.9μsecとなっていることがわかります.

水平同期信号("THE APPLE II CIRCUIT DESCRIPTION", W. Gayler, 1983)

ここで少し横道にそれますが,”THE APPLE II CIRCUIT DESCRIPTION”は,Apple IIの回路とその仕組みを知る上でバイブルともいえる書籍のひとつで,現在はそのPDFがネット上で共有されています.1983年のころ,こうした書籍の存在を知る由もなかったのですが,海を越えた向こうでこうした解説書が多数出回っていたことには,いまさらながらうらやましくなりました.
さて現代のデジタルディスプレイは,ぼくが調べて理解したかぎり,水平同期パルス幅は3.6〜6.0μsecの間で許容されています.とすると,Rev.4の水平同期信号は現代のデジタルディスプレイには非対応ということになりそうです.逆にいうと,1980年代の古き良きアナログディスプレイはまだ冗長であったがゆえに当時のApple IIのビデオ信号を許容してくれたのでしょうか.う〜ん,アナログっていいところがあるな.
かくしてRev.4ボードの回路をRFIボードのビデオ出力回路に置き換えることで,問題が解決できる? とうまくいきそうな気がしました.

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