見出し画像

Apple II ▷ ジョイスティック(2)

メインボード上にあるゲームI/Oに接続するジョイスティックを工作することが今回のテーマですが,そのために重ねた試行錯誤について書きます.

▷ゲームI/Oの150KΩ問題 
Apple IIのメインボードにあるゲームI/Oは基本的に0 〜150KΩの可変抵抗値を読み取ることを前提としています.この抵抗値はゲームI/Oを利用して周辺機器を接続しようとする場合に制約となることがあります.
ぼくはこの制約を「ゲームI/Oの150KΩ問題 」と呼んでいます.

Apple II ゲームI/O(白丸の中)

▷デジタルポテンショメータ
150KΩの可変抵抗をつくる手立てはないか?
便利なものがありました.デジタルポテンショメータというデバイスです.
アナログなぼくは,ながらくポテンショメータは回すかスライドするものとばかり思っていました.しかし思い直してみると,ぼくたちは日常的にPCやスマホの画面の中でボリュームを回したりスライドして音量を上げ下げしています.その内部にあるデバイスのひとつがデジタルポテンショメータだったのです.必要とする何かは案外身近なところに潜んでいるものですね.
ちなみに手で実物のツマミを操作するポテンショメータを「機械式」,手で仮想のツマミを操作するポテンショメータを「デジタル式」というそうです.デジタルポテンショメータについては,たとえば以下(Digi-Key|記事ライブラリ| デジタルポテンショメータの基礎知識と使用方法)が参考になります.

https://www.digikey.jp/ja/articles/the-fundamentals-of-digital-potentiometers

▷ゲームI/Oは奥深い存在である
デジタルポテンショメータに注目したのは,実は時系列的には先の記事のジョイスティックを工作したあとのことで,後日紹介する予定のApple II用のトラックパッドを工作しようと試行錯誤していた時のことです.
このトラックパッドは,かの"Graphics Tablet"ほどではないとしも,"Koala Pad"のように手入力できる周辺機器を工作しようと計画していたもので,そして後者のようにゲームI/Oに接続することを考えていました.

このため「ゲームI/Oの150KΩ問題」に直面していたのですが,いろいろと探っているうちに,たんに「ゲームI/O」と呼ばれるがゆえに拡張カードスロットと比較するとお手軽とみられがちなはこの入出力ポートがとても奥深い存在であり,魅力あるものであると気付きました.そしてむしろこの手軽にアクセスできるゲームI/Oを活用したシンプルなインタフェースを工作してやろうと考えるようになったのです.
次回はこのゲームI/Oを活用するためのデジタルポテンショメータについて書きます.



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?