Apple II ▷ タッチディスプレイ工作記(8)
▷ TIC TAC TOE(3目並べ)
David Finnigan氏がApple IIについて書いた本に"The New Apple II User's Guide"があります.この本は2012年に発行されたApple IIの入門書で,厚さが4.6センチ近く,780ページもある大著です.Apple II の概略にはじまり,Basicプログラミングについて例を挙げながら丁寧な説明がなされています.
この本の中に,Apple IIのBASICプログラムの構文を駆使したプログラムとして「3目並べ」があります.起動時の画面は以下のような感じです(ちなみにこの画面はApple II エミュレータの" Virtual ][ "です).
ゲーム画面は高分解能グラフィックスで表示されています.対戦型ゲームでありながら画面構成が非常にシンプルなので,タッチディスプレイ向けにプログラムの一部を変更することにしました.プログラムがうまく動くことを確認後,メールでDavid Finnigan氏に「タッチディスプレイを工作しているのですが,あなたのプログラムを変更して公開してもよいか」とお尋ねたところ,「おもしろいのでぜひどうぞ」と快諾のお返事をいただきました.
▷ 盤面の座標
オリジナルのプログラムは自分が石を置きたい位置を数字で入力するようになっています.タッチディスプレでは自分が石を置きたい領域を定義する必要があります.その領域の座標は図1のようになります.
図1を見るとわかりますが,隣り合う目同士の間にすこし余裕を持たせています.これは3目並べの盤面の境界線近傍でどちらに属するのかを区別するために線ではなくすこし幅を持たせた非検出領域を設定したためです.また左右両端の目は真ん中と比較すると広めになっています.これは左右両端の目にタッチする場合,指の触れる領域が外側にはずれる傾向があることに気づいたからです.こうした傾向は実際にユーザに試しにゲームをしてもらって初めてわかることで,ユーザインタフェースを研究する上で観察が大切であることを物語っています.
▷ タッチディスプレイで3目並べ
百聞は一見にしかず,タッチディスプレイで3目並べをする様子を以下の動画でみてください.
タッチディスプレイの動作状況をプレゼンできるように動画を撮影していたので,ぼくの指す手がどこかぎこちありません.
Apple IIのボードゲームにはオセロや五目並べがあります.これらは3目並べより細かい領域座標設定が必要となります.これまでに今回工作した10インチ液晶ディスプレイで位置と平面領域の分解能を検査したところ,Apple IIの40x24のテキストフォントサイズ(7x8ドット)程度の領域であれば認識できたので,これらのゲームにもタッチスクリーンは応用可能です.
もちろんディスプレイの画面サイズが大きくなれば,指先が触れる領域にも余裕がうまれるので安定した入力操作ができると考えます.
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