見出し画像

Apple IIビデオ出力回路の再構築(6)

ビデオ出力回路再構築の仕方
いよいよビデオ出力回路の再構築の仕方について述べることにます.
"The Apple II Circuit Description"には異なるリビジョンのApple IIの回路図が掲載されていますが,以下では同書より引用をして説明していきます.なお以降の説明では,再構築前の回路を青線,再構築後のものを赤線で表すことにします.
図1はApple IIのクロックジェネレータ回路です.この回路は基本的にすべてのApple IIで共通となっていますが,図中四角囲みの1,2(以下[1][2]と表記)のように外だしされた回路のような若干の違いがあります.まずこの回路から再構築しましょう.
Rev4の場合,クロックジェネレータ回路は[1]のようにSOFT5ラインがA2の74LS00の8, 11番ピンに接続されています.これをRFIの回路として再構築するためにはこれらを切断して,SOFT5ラインを1KΩ抵抗でプルアップします.さらにB1の74LS175の3番ピン,2番ピンのCOLOR REF(順に正,逆となっています)を切り替えます.この切り替えを勘違いしていたために,ぼくは記事(3)で告白した失敗をしてしまいました・・・.
これよりちょっと複雑なのが図2と図3のビデオジェネレータ回路です.RFIボードのA14の74LS02をあらたに追加してNORゲートの構成を変更します.
回路図上ではこうした変更は簡単に思えますが,メインボードをオリジナルに近いかたちで保存したいので,手を加えるにしても必要最小限です.幸いにもウォズがICソケット好きであったので,パタンをカットすることなくソケットに載せる部品自体の工作を工夫することで対処できます.
その他の変更はコンポジットビデオ出力にL7とC16を追加する工作ですが,ここではいったん措いて後日説明することにします.

図1.クロックジェネレータ回路(すべてのApple IIで共通)
図2.ビデオジェネレータ回路(Rev1. Rev4 も同じ)
図3.ビデオジェネレータ回路(RFI)

余談
Apple IIメインボードでICは直付けされることとなく,ICソケットに実装されています.このことはApple IIを維持管理する上で大きな利点となっています. ICを抜き差しできるので,不良品を特定して交換することができますし,酸化したピンを磨いて再生することもできます.ぼくは高校生のころから各種部品をジャンクボックスにストック(捨てられない)しているのですが,その中から部品を発掘して40年ぶりにRev4を再生することができたのは,メインボードがICソケットで構成されていたからであると言えます.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?