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東洋思想に欠かせない「五行思想」とは?

「五行思想」とか「五行説」とか言います。
陰陽思想は以前も書いたように、中国の神話の時代の帝王・伏犠が作ったとされるもの。

今では、この2つを合わせて「陰陽五行思想」と言われることが多々ありますが、実はすっごく時代は後。

とっても人気の歴史漫画「キングダム」。
映画化もされ、漫画もますます佳境を迎えて大盛り上がり。

まさにこのキングダムの時代あたりに五行思想は生まれているのです。
中国には「乱世」と呼ばれる時代が何度かありますが、その一番最初の乱世が、まさに始皇帝が中華統一するまでの春秋戦国時代。(紀元前770年〜紀元前221年)

元々、「五行」という言葉が初めて登場したのは、儒教の経典である五経の一つの「書経」の中の一編で、洪範(こうはん)とも書く政治哲学の中。
春秋戦国時代に存在した、思想家「鄒衍(すうえん)」(紀元前305年頃〜紀元前240年頃)がこのこの思想を歴代王朝の交替用いました。(彼は陰陽家)

その後、漢の時代(前漢と後漢を合わせて紀元前206年〜紀元後220年)に、陰陽思想と合体して、ここでようやく「陰陽五行」思想となります。

いろんな時代に跨りますが、つまりはこの2つの思想には出来上がった時代的なブランクが長く存在するんですよね。4000年くらい!壮大すぎ!

陰陽思想は宇宙のありとあらゆるものに、陰陽が存在し、それぞれにバランスを保っているというもの。
ここには多くの非物質的な概念が存在します。

五行思想はとても実用的。
万物には5つの元素があり、互いに影響し合いながら存在試合、ここでまた完璧な自然のバランスを保っているというもの。
この思想は、医学、学問、政治、経済など様々なところに用いられています。
代表的なところで言うと、医学なら薬膳や漢方などには五行思想が当てはめられていますね。

五行思想について詳しく話すのはまた今度として、、、

私はこれらの2つの思想、これこそが陰陽思想であると考えています。

「陰陽」思想そのものが陽性。
「五行」思想そのものは陰性。

陰と陽にはそれぞれ性質があります。

陽性が非物質的なものに対して、陰性は物質的。
陰陽思想はそもそも概念です。
その概念を、今ここに生きる、物質的なものと一緒に目に見えるものと生きている私たちに分かりやすくするようにしたものが「五行」思想。

つまり、陰陽思想が非物質的なものに対して、五行思想は物質的。

五行思想は今ここに生きる私たちに分かりやすく、宇宙のありとあらゆる概念を説明してくれている、まさにガイダンスのようなものです。


4000年の時を経て、人間が自分達のためにわかりやすく記したこの五行思想。
今もなお、私たちの生活に深く入り込みすぎて、もはや当たり前すぎて、これは何と聞かれても答えられない。

五行思想とは、東洋思想のガイダンスです。


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