見出し画像

ZAZYに似た奴に彼女を寝取られた時の話し

「私はアンタと一緒にホームレスになってもアンタと東京一緒に行きたい!!」


大阪で6年ほど付き合っていた彼女に芸人になると伝えた時に泣きながら言ってくれた言葉である。


当時、大学を4回留年しており26歳。
もはや奨学金にも親にも見放され学費を払う為に昼は実演販売、夜は難波のカラオケでバイトしていた。


場所柄、難波のカラオケの夜勤は川瀬以外ほぼ芸人。アインシュタインの稲田さんの前の相方さんとかもいた。なんなら川瀬が辞めた後、コマンダンテの安田さんやコロチキの西野も働き出したくらい芸人で溢れかえっていたため、前から薄々考えていた芸人という選択肢が周りの雰囲気に流されて決心に固まった。

その日は梅田のフルーツパーラーで2人で泣きながらメロンパフェを食べ、彼女は勤めていた銀行を辞めることを決めた。

知り合いの軽トラに荷物を全て積み込み東京へ。
彼女の家を出発する際、彼女は泣きながら手を振り妹が走って追いかけてくるという今思うと全員シュチュエーションに酔いすぎのシーンまで見れた。

初めて住んだのは東京江戸川区小岩。
ギリギリ千葉県民になりたくない上京者の住む街。
住むまでわからなかったが歌舞伎町の次に監視カメラの多い街らしい。

家賃9万円の六畳アパート二階。
今思うと完全にボラれていた。

お互い親元から離れて暮らすのは初めてで何かもが新鮮であった。

本当に何もかもが。


芸人として早く稼げるようになるのが当面の目標であり結婚願望も人並みにあったので馬鹿みたいに練習した。

朝6時から上野公園で練習。加えて常磐線の全ての駅前で路上漫才をやる計画を立てた。愚かだが今考えても頑張ってたなと思う、明後日の方向に。

養成所の授業が終わっても喫茶店でネタを作るので家に帰るのは23時頃。休みの日はバイトと、とにかく忙しい日々であった。

ある日、寝る前に歯磨きしようとすると違和感に気付いた。
彼女の赤い歯ブラシと川瀬の青い歯ブラシがある。
そして間に黄色い歯ブラシがささっていた。

ここから先は

2,980字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?