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秋は短し歌えよ男 〜ある日の秋新歓のはなし〜


秋新歓とは何か?

春新歓と並び立つ、明治大学におけるサークル活動の一大勧誘イベント、、、と思いきや、実態は異なります。

少数の希望団体により和泉・生田キャンパスの校舎の一角で細々と営まれる、実に慎ましやかで、注意していないと存在にすら気付かないまま終わってしまいそうなイベント。それが例年の秋新歓。

春新歓が巻き起こる桜吹雪とすれば、こちらはさながら風で渦を巻く道端の枯れ葉のよう。

その秋新歓で明治大学グリークラブ、通称明グリに入団したのがこの私。申し遅れましたが、今回のnoteをお送りする、文学部4年西洋史学専攻の寺元です。

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(定期演奏会の終演後。余ったコサージュくわえて調子に乗っている)

今回は現役団員の秋新歓入団者として、少し遅れた明グリとの出会いの思い出をつらつら語ります。

1.そもそもなぜ秋新歓に??

コロナ禍の今でこそ、大規模な春新歓が実施できず、未だに多くの団体がSNSや新歓実行委員のwebサイトなど様々な手段で勧誘を行なっています。

今の時点ではサークルに入っている1回生も少ないことでしょう。しかし、時は3年前。なぜ秋にもなって新歓に行こうと思ったのか。

答えは簡単。春に入り損ねたから。

オンラインで有象無象のサークルが実態不明・活動休止のままうようよしているわけではありません。桜吹雪と、その3倍の砂ぼこりが舞う中で普通に(なんと尊い「普通」だったことか!!)新歓やってたのです。そこら中でビラ配り。なのに何故、なぜそんなことになったのか?

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(春新歓の時期の様子。余談ですがフィルム写真が趣味です)


2.うっかりサークル無しに

もともと中高の部活は吹奏楽部で、大学に行ってからもホルンを続ける、これが僕のサークル選びにあたっての唯一の方針でした。

しかしなんやかんや、吹奏楽団は生田で遠いし、ツテがあった他大学のインカレに入ろうとしたらオーディションで落ちるという大ポカをやらかすし、オーケストラにも結局縁が無く。

気づけば4月も終わり、どこの音楽団体にも属さない大学生活が始まっていたのでした。こんなはずじゃなかったのに、、、トホホ。

ホルンを吹くことしか考えていなかったものだから、それ以外のサークルの新歓は一切覗きもせず情報ゼロ。今さらどこに入るアテも無い。しくじった。大学は高校に比べてクラスの結びつきなんてものも皆無に近い薄さです(少なくともうちの文学部は)。演習クラスや教職課程で何人かの友達はできたものの、コミュニティに乏しい生活。

3.暗黒の前期

これが超キツかった。高校では副部長をやるくらいには部活にどっぷりで、部活空間での自分がアイデンティティの大半を占めていたと言っても過言ではありません。それが綺麗さっぱり無くなったにも関わらず、後を埋める集団に出会えなかったのです。

約10年ぶりの「集団における役割」を持たない自分。人一倍強い帰属と承認の欲求が行き場を無くし、自分という存在の価値までよく分からなくなり、それを紛らわす場も無く、その他もろもろ積み重なりあれよあれよと悪循環に陥り病みました。

その病みをひたすらに深めていったのが僕の1年前期〜夏休みだったのです。呼吸の浅くなりがちな日々だった。。。

思い出して辛くなってきたので、ここらで割愛!!


4.そして秋新歓へ

こんな状態はもうごめん、そもそもサークルに入り損ねてコミュニティ不足になったのが悪かったのだ!と、起死回生を図る9月。そこで見つけた秋新歓なるお知らせ。よく分からんけどこれは行くしかない。楽器は市民団体とかでも吹けるし、大学内では的を絞らず新たな出会いを探そうじゃないかと、そう思ったわけです。

こじんまりとした秋新歓でしたが、音楽団体はブースでの勧誘の他にちょっとだけ屋外パフォーマンスもやっているらしく。パンフをめくると男声合唱団というのがある。あー、入学式の時に武道館で校歌とか歌ってたアレか(今年は無かった、、、残念!!!)。男だけで合唱してるらしい。

大学にまで来たんだからキラキラした選択肢は他にいくらでもあっただろうに、何を思ったか男だけで集まって合唱。そんな物好きの集まりにいるような人たちは、少なくとも悪い人ではないに違いない!我ながら安直な発想。

調べてみるとYouTubeにもいろいろと演奏動画が上がってて、活動も活発な様子。


(僕が守る 第57回明立交歓演奏会(2018年)より)

しかもHPに「24時間365日新入団員募集!!」って書いてある。

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それ、もはや秋新歓とか関係なくないか。まあとにかく、ここを見に行ってみることにしたのです。


5.妙に楽しそう

そして、”奴ら”を目撃してしまいました(ほぼ先輩でしたごめんなさい)

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そこにいたのは妙に楽しそうに歌う男ども。“妙に”がポイントです。不思議になるレベル。歌ってるだけなのになぜそんなに楽しそうなのか。一体なんなんだ、こいつら。

さらには指揮をしている大男(身長180cm越え、当時4年の学生指揮者であることを後に知る)がMCで何か絶叫しています。よく聞き取れないけど「明グリなら4年になっても遊べるぞぉぉぉっ」とかなんとか。うるさいな、じゃなかったテンション高いなあ。

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(飛ぶ学指揮。テンションも身長も高かった。)

それが個人的な明グリとのファーストコンタクトでした。

とにかくこの“妙に楽しそう”にやられてしまったのです。自分も「あっち側」の不思議なやつらに仲間入りしたくなってしまった。

あとはトントン拍子です。ブースに出向き、声をかけるか躊躇しているところ声をかけられ、話を聞いて、練習見学もしない内に数日で入団届を出してしまいました。初練習参加の時には既に入団済みだったという、他にあまり類を見ないスピード入団。秋だけど。

6.余談 ー異文化交流ー

入団したはいいものの、上にも書いたように入団の時点では一度として練習を見たことすらありません。全貌を知らないのです。

今から考えても、なんであんなに急いで入団届を出したのか不可解だ。先輩にも「練習参加してからで全然いいよ、、、?」って心配されたし。

さて初の練習参加。練習場所の教室に入るなりビックリ。なんと、男しかいません!!!!

いや、男だけなのは知っていましたよ。男声合唱だもんネ。ただ中高全て共学、部活に至っては女子率9割の吹奏楽部で6年を過ごしてきた僕にとっては、「本当に男しかいないコミュニティ」を実感を伴って想像するのは難しいことだったようだ。

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(黒服の男ども。カオスじみた部室に彩りを添えようと大量の写真を貼ったら、もっとカオスになった)

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(ずらっと男。去年の第68回定期演奏会にて)

さらにパート練習の部屋へ行くと、隣におっさんが座っています。まあ大学だし、おっさんみたいな3・4年生もいるのかな〜と思って挨拶。よろしくお願いします。

すると「いや、俺同期だよ」

なんと、おっさん4年生だと思っていたのは同じ1年生の横山くんでした。しかも現役で年齢も同じだし。当時19歳。彼はいま主将(サークルの責任者)をやってます。

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(当時1年、弘前演奏旅行での横山くん。奥にいるのは「留年をするということ」を書いた目黒くんです。まだ誰も、彼が留年することを知らない)

7.おわりに

そんなこんなで、明グリに入ってから今月で丸三年が経とうとしています。

大学に入る前には思いもよらなかった「男声合唱」という選択でしたが、ノリと直感で飛び込んだ甲斐はありました。楽器を吹くのも楽しいけど、自分の身体を楽器としてフルに使うのも中々に爽快で面白いですよ。

そんなわけで、明グリは今年ももちろん「24時間365日新入団員募集中」です!ちょっとした質問でも、HPやツイッターから気軽に連絡どうぞ~

また、こういう事態なので、他にも例年に比べ多くの団体が未だに新入生を募集しているはず。今年の秋新歓は新歓実行委員会が行っているzoom説明会の他に、様々な団体がそれぞれ個別に勧誘をしてます。対面に比べて印象を掴むのは難しいかもしれませんが、新歓実行委員のサイトや各団体のSNSなどを頼りに是非色々と覗いてみてください。

長い思い出話をここまで読んでくれた方、本当にありがとうございました。皆さんの学生生活が少しでも良いものとなりますように。

それでは!


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