創作の御伽噺の仮ネタ

(仮ネタです)

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むかしむかしのはるかに遠い昔。
何もない白黒の世界』がありました。
その何もない世界に『一人の少女』が住んでいました。
少女は『ひとりぼっち』でした。

誰も居ない。
話す人も居ない。
お友達も居ない。
愛する人も愛される人も居ない。

そんな毎日でした。

ただ、少女の周りには『白黒』しかありませんでした。
ですが、彼女はそれで満足していたのです。

そして、物語で書き上げられたようなこのモノクロの世界に、彼女は『色を作り始めました』。
つまり、この世界に『生命を創ろう』と考えたのです。

少女はこの世界に『色を塗り始めました』。
彼女の『性格』色。
彼女の『経験』色。
彼女の『人生』色。
彼女の『記憶』色。
彼女の『幸福』色。
彼女の『不幸』色。
彼女の『人格』色。
彼女の『祈願』色。
彼女の『希望』色。
彼女の『絶望』色。
彼女が持つ『』をこの世界に塗っていきます。
そして、彼女の『』の色も……。

やがて彼女は『色を失いました』。

彼女の『』という名前の『生命』のおかげで、『何もない白黒の世界』は『色鮮やかな世界』______『普通の世界』になったのです。

その代償として『色を失った少女』は『』を迎えてしまいました。

そして、その少女は『生命の創造神』となりました。

生前と違って、『白黒の姿になってしまった少女』でした。

生前とほとんど同じで、子供のように『真っ白』で純粋な性格ですが、彼女は所詮『色が消えた空っぽな存在』です。
心の中が『真っ白』ではなく『真っ黒』になってしまっていたのです。

生命を創る』こと。
それは大きなことであり、彼女には失うものが多くあったのです。

今は『少女』ではなく『創造神』としての彼女は、こんにちもこの『創られた世界』で放浪していることでしょう。

おしまい。

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