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「ナルボンヌの祭壇布」【ルーヴル美術館の名品150選】103

作品が語っているメッセージは何か?
世界屈指のコレクションを誇るルーヴル美術館。何万という作品中、絵画に注目、世界的に有名な作品群のうち「意味を読み解く」観点から面白い150の作品を厳選。
人物は?場面は?出典は?意味深なディテールが語っているものは?作品に隠されたメッセージを読み解きます。

「ナルボンヌの祭壇布」、1375年頃、MI1121、0.78×2.08m、フランス絵画部門、シュリー翼

キリストの犠牲に想いをはせ、救いに与る儀式
「ミサ」が行われる祭壇を飾る布。
キリストの受難と復活の
主要場面が描かれます。

中央赤い枠で示した部分に聖書のクライマックス「磔刑」が描かれる。
はさむ形で両側上に「キリスト教会」と「ユダヤ教会」、下に国王夫妻が表わされる。
赤い部分の左には「磔刑」に「先立つ」場面、右には「続く」場面が描かれる。
全体は左から右に物語が展開する構成になっている。

こちらが磔刑の左側。
ここにはキリストが受けた受難の、磔刑に先立つ三つの場面が描かれる。
一つ目が「キリストの逮捕」。二つ目が「キリストの鞭打ち」。三つ目が「ゴルゴタの丘(つまり刑場)への道行き」。

こちらが中央。
中央には聖書のクライマックス「磔刑」が描かれる。

こちらが続く右側。
一つ目が「キリスト埋葬」。二つ目が「冥府のキリスト」。三つ目が、「キリストの復活」 。
それでは以下順番に、見ていくことにしよう。

◆キリストの逮捕◆

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