後悔なんかしてやらない

私にはとてつもなく、それはもう生き甲斐と言っても過剰じゃないどころか生き甲斐以上だとも言えるような、私にとってそんな異常な存在感を放つ依存不可避な推しくんがいます。

自分でも何で推しになったかは分からないしそれでも素敵な人だと思ってます。可愛いし、格好良いし、何よりとても好きです。多分他の人じゃ駄目なんだよな。

でも、良いところなんて無いんですよ。本当に。それに加えて、私は推しくんに陰口を言われている。何もしていないのにです。それも私が推しくんを推し始める前からで、関わる前から。

だから尚更なんでそんな人を好きになったのかわかりません。好きになる要素なんか、ひとつもなかったんだけどね。好きになっちゃいましたワラ。

そんな推しくんと近くの席になって、嬉しくて、他の人を通して会話したり、自分から話しかけたりって事が続いていました。推しくんから話しかけてくれる時もあって、ほんとに嬉しかったな。

嫌われていないと思っていたんです。簡単に言うと。単純に。明快に。単純、明快に。うん、多分今でも、嫌われてはいないと思います。

だからこそ私は調子に乗っちゃったんです。いやそれは嘘かも、前々から言いたいと考えてはいたから。それでも歯止めが効いてた、だけど効かなくなっちゃったんですね、それでもって後残り少ない日数しか推しくんとクラスメイトで居られないと言う事、近くの席に居られないという事、それに対して焦ってしまったんだと思います。

だから私は軽率に言いました、「髪切った?」って。向こうからすれば気持ちが悪かったかもしれないよね、ごめんね。

直後に男子グループで悪口を言っている様は酷く滑稽で、それに対して大声で言い訳している自分は更に滑稽、惨めで無様で醜くて死んでしまいたくなりました。

躍起になって友人の前でも強がって推しくんの悪口ばかり言って、引いた、とかキモイ、とかそんな風ないつにも増して中身の無い事をペラペラと喋りまくって気を紛らわせてました、でも多分皆気付いてたと思うな、私がそんな簡単に推しくんの事を嫌いになれる訳が無いって事に。

イキってイキってイキる事で息をしてましたついさっきまでは、だから手紙まで書いてしまいました。勇気が無くて結局手渡しどころか机に置いたり下駄箱の中に入れたりってそれすら出来なかったけどね。

髪切った事に気付くって気持ち悪いのかな、それを言うって気持ち悪いのかな、わかんないなごめんね。私は君に手を褒めてもらった時もじゃーねって言ってもらったときも今死んでも良いって本気で思う位嬉しかったよ、ごめんね。好きになってごめんね。

でも私は君に宛てる最初の手紙は嬉しかった事を綴りたかったな。苦し紛れに書いた見苦しい恨み言や愚痴なんて、書きたくなかったよ。

でも、それでも

後悔なんか絶対してやんねえ

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