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DACガチバトル(DAS-702ES vs Hugo2)

CDが世に初めて出たのは1982年、それからたった2年後にソニーから世界初の単体D/Aコンバータ(以下DACと言う。)がリリースされました。
オーディオというのは高級になればなるほど、分裂し、セパレート型になっていくものなのですが、当時の自分はまさかCDプレーヤーがセパレートするなんて思いもしませんでした。
そんなエポックメイキングなDACであるDAS-702ESを、つい最近某オークションにて入手しました。
デジタル機器にとって38年という年月は陳腐化するには十分な時間だと思いますが、思いのほか良い音を鳴らしたので、メインで使用しているCHORDのHugo2とガチで比較してみました。35年の技術の進歩を体感したい!

CHORD Hugo2

今メインで使用しているDACです。
CHORD製品はDAC64が出た時から憧れのブランドだったので、Hugo2を手に入れたときは感無量でした。
据え置きのDACとして使っていますが、基本的にはポータブルヘッドホンアンプなので結構コンパクトです。
また、入力インターフェイスはオプティカル(光)、同軸、USBにBluetoothと豊富で、PCM768kHz、DSDとハイレゾに対応しており機能的には完ぺきです。
もちろんヘッドホンアンプとしても強力です。

入手してすぐの印象をSNSに投稿していたので、ここで引用
「やっぱり上流のグレードアップは効果が大きい。高解像度と言うより音に深みが増した感じ。細かい音まで聴こえるけど、聴き疲れしない。音楽的とはこういうことかと感心。」
かなりの好印象です。単に解像度が高いだけではないってのがポイント高しですね。

Hugo2


SONY DAS-702ES

時代を考えれば当然ですが、入力は同軸デジタル2系統のみとなかなか硬派な仕様です。
また、PCM44.1kHzと48kHzのみ対応で、当然ハイレゾ音源は聴けません。(CDとDVDのみ)
音の印象ですが、とても38年の月日が経っているとは思えず、今でも一線級のハイエンドな音と感じました。

比較

DAS-702ESの音質は素晴らしいとはいえ、単体で聴いた場合の印象であり、現行機とガチバトルしたら粗が見えるに決まっています。
ちなみに価格はDAS-702ESが定価20万円、Hugo2が25万円程なので80年代前半の物価を勘案しても同クラスと言っていいかと思います。

比較した音源は以下のとおりです。
・Jack Johnson「In Between Dreams」
・Bill Evans「Waltz for Debby」
・山下達郎「For You」

再生環境については、同一音源をアンプのセレクターで切り替えながら比較したかったので次のようになります(どちらも同軸出力)。
【DAS-702ES】パイオニアPD-D9(CD再生)⇒DAC
【Hugo2】オンキョーNS-6130(Flac再生)⇒DAC
CDとFlacの違いはありますが、FlacはCDからリッピングしたものであり音源は同じです。

比較して最初にまず感じたのは、Hugo2の方がメリハリがあり、アタックの強い音であるということです。
また、Hugo2は音の響きが豊かで奥行を感じます。
総じてDAS-702ESよりHugo2の方が一枚上手に感じますが、音源によっては高音が少しきつく感じました。DAS-702ESの音の方が聴き疲れしないです。

結論

比較した結果、少しの差でHugo2の勝ちということになるかと思います。
(オーディオマニアはこの少しの差に何十万円と費やす人種なので大きな差かもしれませんが、、)
ただ、この差は今回のように分析的に注意深く聴いて初めてわかるもので、38年前のものとは思えない驚異的な音質であることは間違いありません。
少なくとも音質に関しては、35年分もの差は無いです。
ただ、DAS-702ESはフルサイズのアンプ並みの大きさで重量は10kg超え、一方でHugo2は持ち歩き可能で、下手したらコートのポケットに入りそうなコンパクトなサイズということを考えると、やはり技術の進化は大きいのかもしれません。


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