とある村の昔話

昔、世界に疫病が蔓延した事がありました。

人々は思い思いの神様を作り、疫病が静まるのを願いました。

程なくして疫病は治まり、世界は平和になりました。

困ったのは神様です。

仕事が無くなりました。

信仰が無ければ神様は死んでしまいます。

とある神様は生贄を要求しました。

またある神様は役目を終え死にました。

北欧のとある村では神様は毎年男の子の生贄を要求しました。

神様は本当は生贄なんてどうでもよかったのでひとしきり遊んだら捨ててしまいました。

とある年、生贄に出された子供に神様は初めて興味を持ちます。

殺してしまうのは惜しい。

生かしておくのも難しい。

神様は村に雪崩を起こしました。

もう生贄は要らないからです。

神様はその子供にとりつきました。

「この子だけいれば何も要らない」

神様は初めて「恋」をしたのです。

神様は今日もその子供と一緒に居ます。

「死んだらアタシの物にする」
「永遠に私の物」

神様は人の愛し方が解りません。

その子供は歳の取らない体、神様とお話できる力を受け取りました。

神様は右手と視力、男の子の機能を奪いました。

神様は今日も子供と一緒に居ます。

神様はいつの日か

「悪魔」

そう呼ばれるようになりました。

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