第18週　水曜日　教育者・学者　原口鶴子

18人目の教育者・学者は大正時代に活躍した日本の心理学者でPh. D. を取得した最初の日本人女性で心理学者の原口鶴子さんです。

原口 鶴子（はらぐち つるこ）、旧姓:新井、1886年6月18日 - 1915年9月26日）は、大正時代に活躍した日本の心理学者。Ph. D. を取得した最初の日本人女性である。医学博士（M.D.）取得日本人女性は以前に岡見京子がいたが、Ph.D.は全分野を含めても初めてだそうです。

原口 鶴子（はらぐち つるこ）さんは新井つるさんとして1886年6月18日
三人姉妹の一人として群馬県の富岡でお生まれになりました。
お父さん新井広三郎氏は豪農だったそうです。

1902年に二年飛び級して群馬県立高崎高等女学校に進学されます。1903年に日本女子大学入学され、英文学科で人文学を専攻されます。

当時、女性を受け容れてくれる四年制大学は日本にはなかっため、彼女の指導者であった心理学者の松本亦太郎氏は、さらに教育を受けることをつるさんにすすめました。

つるさんは卒業後の1906年、日本を去って米国へ発った。心理学の博士課程を修めるために、1907年にコロンビア大学に入学されます。

実験心理学と心理学の教授法を専攻し、エドワード・ソーンダイク、ロバート・ウッドワース、ジェイムズ・マッキーン・キャッテルの指導を受けました。

そして1912年に「心的疲労」と題した論文を完成させた。

この論文には、彼女自身が実験台となって、4桁の数字を掛け算したり、ジョン・デューイの著作にある英語の文章を日本語訳したりして心的疲労を測るという実験が含まれているそうです。

1912年6月5日に学位を授与され、Ph. D. をはじめて取得した日本人女性となった。また、同日に留学生仲間の原口竹次郎氏（のちの早稲田大学教授）と結婚して、イギリスへ新婚旅行に出発したそうです。

原口鶴子さんは日本に帰国し、自らの理論を拡張させた。また、日本語への翻訳も行い、1914年に「心的作業及び疲労の研究」という題で発表されます。

日本女子大学で時おり講義をすることもあり、同大学の実験心理学教室の設立に携わったりもしたそうです。

夫原口竹次郎との間には一男一女をもうけたが、結核により1915年9月26日に亡くなられました。

29歳（数えで30歳）だったそうです。

原口鶴子さんの最後の仕事は、フランシス・ゴルトンの『天才と遺伝』（原題：Hereditary Genius、1869年）の日本語訳だそうでその本は没後の1915年に出版されたそうです。

また、原口鶴子さんがコロンビア大学において経験したことや、日米の文化的相違についての観察について綴った回顧録『楽しき思ひ出』が、1915年に出版されました。

原口鶴子の生涯と業績についてのドキュメンタリーが2つ制作されています。

「原口鶴子の生涯」(2007年、英題：The Life of Tsuruko Haraguchi)と、「心理学者 原口鶴子の青春 100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと」(2008年、英題：Psychologist Tsuruko Haraguchi: Memories of Her Days at Columbia University in the Early 1900s)だそうです。

心理学者 原口鶴子の青春 100年前のコロンビア大留学生が伝えたかったこと (日本語・英語字幕付収録) [DVD]

著書
単著
『心的作業及疲労の研究』 北文館 (1914 コロンビア大学の博士論文を再構成したもの)
『楽しき思い出』 春秋社書店　(1915 留学時代の随筆 復刻・山崎朋子編 『叢書女性論12』　大空社 1995)

叢書女性論 (12)

翻譯
ゴルトン 『天才と遺伝』 早稲田大学出版部 (1915)

論文
「精神薄弱児の心理学的研究」 『児童研究』 第16巻 4号 (1912)
「児童智能の測り方」 日本女子大学校桜楓会発行 『日本女子大学校・家庭週報』 第258号 - 261号 (1914)
「実際の疲労と疲労の感 上下」 『心理研究』 第8巻 2冊 (通巻 44号) - 3冊 (通巻 45号) (1915)
参考文献
『邦文心理学文献目録稿』 国立国会図書館支部上野図書館 1953
木村毅 「海外に活躍した明治の女性」 至文堂 1963
荻野いずみ 『原口鶴子-女性心理学者の先駆』 銀河書房 1983

原口鶴子―女性心理学者の先駆 (1983年)

青木生子 「原口鶴子・高良とみ」 『近代史を拓いた女性たち-日本女子大学に学んだ人たち』 講談社 1990
大泉溥 編 「日本心理学者事典」クレス出版 (2003) ISBN 4-87733-171-9

めぐめぐがすごいと思う原田鶴子さんのこと

1学生時代2年飛び級して高等女学校に進学されていること。
2渡米されて6年でPHD残るものを学位を取られていること。これも非常に早いスピードです。
3日本帰国後も子供を生み更に業績をあげられていること。

原口鶴子さんは歴史上日本女性の中でもトップクラスの聡明な女性の一人だったと思います。もっと生きておられれたらいろんなことが変わったかもしれないと思いました。