受賞作品【ヤマムラメグミノエッセイ】#4 はじめてのひとり旅
「メグちゃん、リハビリの時間だよ。」
毎朝、同じ時間にカーテンが開く。
抗がん剤治療の真っ只中でも容赦ない。ベッド上でぐったりした私の足が力強く掴まれ、先生の手によって勝手に動き出す。
(スパルタだ...鬼だ。)
気持ち悪さに耐えながら、そんなことばかり頭を巡る。
23歳で右腸骨骨肉腫と診断。
身体障害者になる自分を受け入れられないまま、手術で骨盤の1/3と中殿筋、小殿筋の一部を失った。
立ち方すらわからなくなった自分に震えが止まらない。
歩けない自分が悔しくて許せ