次、どうなるんだろう?

「コイウタ。」の3分割で、久しぶりに漫画の「引き」を考えました。 漫画で言う「引き」とは、場面転換やページ転換時に、先が気になるような仕掛けを施すことです。

「引き」を考慮せずただ闇雲に3つに切ってしまうと、最悪、漫画のもつテンポを崩しかねません。ご存知の方も多いと思いますが、出来るだけ「次、どうなるんだろう?」と思ってもらえるコマを左ページの一番左下に持ってくるのが理想です。(冊子の場合は左ページですが、デジタルは全ページですね)本来はネームの段階で考えることなんですが、今回は出来上がったものを切る作業なので「どのページを各記事の最後にしようか」と結構悩みました。うまく切れてるといいのですが。

もちろん1ページに納めるコマ数には限界があって、なんてことのない説明コマや背景コマで引いてしまうこともあります。だから、全てのページに「引き」を作れる漫画家さん、更に最終ページすごい「引き」を作り「次号に続く」ができる漫画家さんは、大変緻密な計算をされているすごい方なんですよ。それが積み重なって「続きが気になるー!」「一気に読んでしまった!」「ページをめくる手が止まらない!」となるわけです。何度も読んだ漫画でも、作者の気持ちに近い「引き」を意識して読んでみるとまた違った感動があると思います。私は制作経験があるので、普段漫画を読むときも無意識に「引き」に注目してしまうんですけれども。

あ、似たことで、漫画原作のあるドラマやアニメを見るとき「これ、漫画でどうやって描いてるんだろう」「どんな表現でどんなコマ割りで描いてるんだろう」と、これも無意識に考えながら見ています。これらの習性は多分一生このままですね。

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