私だけの猫

職場にNさんといういつも元気でニコニコの女性がいる。年齢は自分の母より若いくらいでおばちゃんというよりおばあちゃんという感じ。

背筋はしゃんとしてて、季節に合わせて服の色やブローチをさりげなく変えている。自分の祖母と少しリンクするような人。

昨日もNさんの朝から笑顔が気持ちよくて

「Nさんの元気はどこから湧いてくるの?」と思わず聞いた。

Nさんはちょっと考えた末、

「ニャンコ、かな」と笑った。

聞くと、無類の猫好きだそう。

といっても同居の姑が猫嫌いなので「家族皆が猫好きじゃないと猫って飼えないじやない」とのことで、猫を飼えないことが残念そうではあるが、姑に対して恨みがましくもなく自然な感じ。私なら「姑が猫嫌いでさ〜いいじゃんねぇ」くらい悪態をひょいとついてしまいそうだ。

Nさんは猫が好きだが猫は飼えない。だけど野良猫に毎日挨拶をすること、近所の飼い猫に孫と会いに行くこと、あとは岩合さんの猫番組が元気の源だそう。

そんなことで?と思っちゃうようなことが、Nさんは「私はそれで笑顔になっちゃうのよ」と言った。

他人からみればささやかなこと、大したことないことも本人が変換すれば日々の幸せの源になるのだ。

私も私だけの"猫"があるはず。

私の"猫"はちょっとしか姿を見せないし、擦り寄ってくれないし、可愛くない。だから私は不幸だ。

そう思ってたけど、もっと"猫"をよくよく見てみれば、それは愛くるしい表情があるだろう。そもそも私は"猫"を大切にしてきただろうか。

ちょっと寄り道をして、待ってみて私だけの"猫"をみつけてみたいなとおもった。

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