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和婚を知ろう

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白無垢、神前式、祝言など、日本の伝統的な結婚式について知りたい人に。着物や挙式の由来を知ると和婚がしたくなるかも。
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#花嫁衣裳

明治~昭和初期の花嫁衣裳

2019年に横浜「シルク博物館」で開催された「シルクのシンフォニー ー染と刺繍の輝きー」展から。 現代の作家の作品から、古い時代の資料的価値を持ったものまで、幅広く見ることができました。 古い時代の花嫁衣装は白・黒・赤の三色揃い袖。 こちらは鳳凰と桐をあしらった留袖です。 花嫁衣裳 三枚襲留袖(1926年) 上着:黒に菊、中着:赤に竹、下着:白に梅がそれぞれに描かれています。 驚いたのが次の2点。 まずはこのダイナミックな波模様の引振袖、今では見られないイメージの柄で

和の文様「扇」

おめでたい席にはつきものの扇、別名を「末広」と言います。 要から扇面にかけて広がっていく形「末広がり」からそう呼ばれるのですが、ことに一族の繁栄を象徴する形です。 そのため扇はお祝いごと、特に婚礼の場にふさわしい物とされるわけです。 そんな意味を持つ扇柄は「吉祥紋」として晴れ着全般によく使用されます。 写真のように、扇面に更におめでたい文様を入れたものが多く見られます。 季節感、祝いのメッセージなど、想いを二重三重に表現できますね。 貴族の装束・十二単の装いで用いられる「

和の文様「鶴」

「鶴は千年、亀は万年」といわれるように、鶴は古くから長寿の象徴とされています。 また、伴侶と生涯添い遂げることから、夫婦円満の象徴ともされています。 そのため、吉祥文様として長いこと日本人に愛されてきました。 おめでたい席の衣裳、器などに数多く見られます。 花嫁衣裳の赤や黒といった濃い地色に、羽ばたく白い鶴の姿がくっきりと浮かび上がるさまはとても華やか。 もちろん白無垢に織り柄として鶴が飛ぶ、控えめに表現されたものも奥ゆかしい美しさです。 柄としてのバリエーションも豊富で