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和婚を知ろう

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白無垢、神前式、祝言など、日本の伝統的な結婚式について知りたい人に。着物や挙式の由来を知ると和婚がしたくなるかも。
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2021年3月の記事一覧

「結婚式のしきたり」って古臭い?

こんにちは、ウェディング ナビゲーターの清水です。 世の中では毎日のように、ウェディングに関する新しいサービスや商品が登場しています。 欧米風のスタイルも相変わらず人気ですね。 日本だけがしきたりを守っているのか?先日、とあるウェディングサービスを手掛ける方の投稿を読んだのですが、 「日本のウェディングはどこも同じような順番で同じような内容でつまらない」とありました。 具体的に何がどう同じなのかは書かれていなかったのですが、推測するに、進行や演出のことのようです。 海外

結婚式の「プラン」が向く人、向かない人

スマホやPCを一気に買い替えたときのこと。 便利そうなアプリが最初からたくさん入っている機器、これらは大体日系メーカのもの。 最低限のアプリだけしか入っていない機器、これらは大体海外メーカーのものです。 これ、結婚式のプランによく似ているなと思ったので、そのお話を。 結婚式のプランとは?ウェディング会場ではそれぞれに「ウェディング プラン」とか「パッケージ プラン」というものが用意されています。 この「プラン」というのは、必要であろうアイテムを会場側が考えて、最初から入れ込

明治~昭和初期の花嫁衣裳

2019年に横浜「シルク博物館」で開催された「シルクのシンフォニー ー染と刺繍の輝きー」展から。 現代の作家の作品から、古い時代の資料的価値を持ったものまで、幅広く見ることができました。 古い時代の花嫁衣装は白・黒・赤の三色揃い袖。 こちらは鳳凰と桐をあしらった留袖です。 花嫁衣裳 三枚襲留袖(1926年) 上着:黒に菊、中着:赤に竹、下着:白に梅がそれぞれに描かれています。 驚いたのが次の2点。 まずはこのダイナミックな波模様の引振袖、今では見られないイメージの柄で

日本の着物の原点 十二単

先日、全日本婚礼美容協会の勉強会に参加させていただき、初めて十二単(女房装束)の着付けの様子を拝見しました。 十二単は平安時代に確立した女性の装束ですが、日本オリジナルの衣裳で、いわば国風文化の象徴。 公家の衣裳である十二単から派生して現代の着物になっているわけで、私は日本の着物の原点だと思っています。 『源氏物語』を読むには衣裳の知識は欠かせないのですが、着る過程はなかなか見る機会がなかったので、とても楽しみに伺いました。 五衣・小袿・長袴姿最初に拝見したのは、皇后陛下

伝統的な美しさと現代的な楽しさと 写真は2パターン撮っておこう

成人の日の時期になると思うんです。 年を重ねてから写真を見返しても、当時と同じように「よかった」と思ってほしい、ということ。 伝統柄の着物や正統派のポーズについて、若い世代があまり好まないのもよくわかります。 私も自分の振袖をつくってもらう時、その時流行っていた色や柄にしたいなと思いましたから。 (当時は濃い色でほぼ無地のモダンな振袖が流行でした) 着物を縫う仕事をしていた祖母や母に全力で止められ、1つ下の妹と共用だったこともあり、両方に似合う別の色柄にしましたが、今となっ

和の文様「扇」

おめでたい席にはつきものの扇、別名を「末広」と言います。 要から扇面にかけて広がっていく形「末広がり」からそう呼ばれるのですが、ことに一族の繁栄を象徴する形です。 そのため扇はお祝いごと、特に婚礼の場にふさわしい物とされるわけです。 そんな意味を持つ扇柄は「吉祥紋」として晴れ着全般によく使用されます。 写真のように、扇面に更におめでたい文様を入れたものが多く見られます。 季節感、祝いのメッセージなど、想いを二重三重に表現できますね。 貴族の装束・十二単の装いで用いられる「

技術者たちよサボらないで! 全ての花嫁に和装の美を体験してほしい

前撮りの普及もあって、結婚式で和装をお召しになる花嫁さんは一時期より増加しています。 でも、残念ながら、年々質が落ちてしまっている。 それを実感したのは、ネット上のたくさんの和装写真を比較してでした。 昔ながらの着付けや写真でなければいけないということではありません。 新しい感覚も大いに取り入れるべきです。 でも、「新しい」と称して、基礎として持っているべき知識や技術を怠っているのではないか。 美しい花嫁姿をつくり、日本独自の文化を残していくために必要なことを、サービスを提